夢物語

□強がりトルテ
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両目の視界が白濁に包まれながら、私は意識を取り戻した。
どうやら少しの間、気絶していたのだろう。
目を開ければ見えるのは教室の天井と、君の汗で濡れた髪。

君が私の再奥を何度も突いて、私はそれに答えるように喘ぐ。
君がいなければ…
違う。そうじゃない。
私が駄目なんだ。この感情を繋ぎ止めておくことが出来ないから。

朦朧とした頭が、誰かの開けたドアの音で明快になる。
私が床に体重を預けた頭を右斜めに、傾けて、急な来訪者の顔を覗き見る。
私だと気付いたからか、校内で不純異性交友をしていた不埒な輩だと思ったのか、すぐにドアを閉めて出て行った。
突如訪れる罪悪感。
キミはもう、私のことなんて興味ない筈なのに、そんな顔するんだ。

『ずるいよ』

まだ、私に優しかったキミのことを忘れられない。
どうして君がキミじゃないの?
キミとの甘い思い出ばかりが脳裏で再生される。
これが本当だから、本当だけど、私はこのまま果てて逝きたいの。


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