復活短編集

絶えない愛の証明
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「ねぇ、」

後ろから声を掛けるけれど、彼の歩みは一向に止まらない。

「ねぇ、リボーンってば!」

さっきより語調を強めて呼び掛ける。

「呼んだか?」

さも、今気が付いたと言わんばかりにリボーンは振り返った。

「何回も呼んだって」

全く聞こえていなかったんだろうか。
リボーンは眉をひそめる。

「で、何だ?」

「何だ?じゃないわよ。いきなり引っ張ってくんだもん。どこ行くの?」

1日の任務が終わって、ようやく自室に戻った瞬間にリボーンがやって来た。
そして問答無用で引っ張り出されて、今に至る。

「あたし、眠いんだけど」

繋いだ手とは反対の手で目を擦りながら訴えた。

「すぐだから、もう少し我慢しろ」

あたしの要求は簡単に却下されて、また歩き始める。



ガチャ……。


連れて来られたのは、屋敷の最上階にあるバルコニー。

外気の冷たさにぶるりと身体を震わせると、途端に視界が真っ暗になった。

「着ておけ」

その正体は、手触りの良いジャケットで。
リボーンを見ると、薄いイエローのシャツが見えた。

「ありがとう……」

素直にお礼を言って、ジャケットを羽織る。



「………もうすぐだ」

この前の誕生日にあたしが贈った腕時計を見ながら、リボーンが言う。


……ヒュルルルル…………。

独特の空気中を何かが抜ける音が聞こえて、

ドンッ……………。

空中で弾けた。


「花火………?」

空に咲いたのは、美しい紅い華。

最初の一発を皮切りに、次々と夜空に大輪の華が咲く。


「綺麗………!」

この国のカルネヴァーレ等で目にするそれとは違って、日本情緒に溢れる色彩に言葉を失った。

「気に入ったか?」

隣には、口の端だけ上げてニヒルに笑う恋人が居て。

「これ、リボーンが用意してくれたの?」

「こいつの礼だ」

袖口から腕時計が顔を覗かせる。

「凄く、嬉しい………けど、」

"腕時計の礼"に、これは勿体無いと思う。

「オレがしたいと思ったからな。気にするな」

サラリと言われて、胸の奥が熱くなる。

「ありがとう……リボーン」

そっと背伸びすると、彼の整った顔がだんだん近付いてきて……あたしは瞼を閉じた。

触れるだけの、優しいキス。

夜空を彩る炎の華が消えても、甘い時間は続いていくのだ。








(続きは部屋に帰ってから、だな)
(何だか恐怖の予感がする………)
(何言ってやがる。愛のカタチだ)





*****



初めてリボーン夢を書きました……!
なんか至らないとこだらけで申し訳なさがいっぱいです。



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