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□鈴蘭 天地寿という男。
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天地、寿。

何、あいつ。
まともにやったら殺される
あんな殺気、人間が出すモンじゃないって。


今回は何とか逃げ切れたけど、
次は今回のようにうまく行く保証はない。


相手が天地じゃなくてもそうだ。
一筋縄で行くと思ったら大間違い。

ここは悪名名高い天下の鈴蘭男子高等学校なんだから。


(男子校で生活するってのは、こういう事なんだな)


色んなことを考えて黙々と歩いていたら、私の足が選んだ場所は、

何故かあの屋上で。



(なんで俺こんなトコにいんの?)


屋上の扉の前に立ったとき、私はさすがに自分自身に驚いた。

確かに目的地も予定も計画もない歩き方をしていた。
それは否定しない。

反省はしている。
後悔はしてない。


当たって砕けろの精神で一回だけ深呼吸をして、ドアノブに手を掛けた。

(このドアを開けるのは二度目。)

(今日はあの二人はいるのだろうか)

(つか居ないと困る)






扉を開けると、目の前に青空が広がった




少しだけ湿度の高い、日本の春だ。







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