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□鈴蘭 tragedy
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「・・・お前があの場に居なくてもアイツは殴られてた、
そうだろ?
あいつはお前を狙ったんじゃねぇ。
誰でもいい、鈴蘭生を狙ったんだ。」
「・・・誰でも良かったんなら・・俺が殴られれば良かったんです」
「・・・ばーか。俺ら4人のうち誰がマサの立場だったとしても、
俺たちはぜってーにマサと同じ判断をするだろーよ」
「・・・理由がないじゃないですか。
俺なんかを護る理由が」
「・・・可愛い後輩護るのに理由なんざ必要ねーよ」
天海は顔を上げて、
すがるような目で俺を見た
今にも泣き出しそうな顔
(・・・んな顔すんな、馬鹿。)
涙を堪える様に口を開いた
嬉しそうに微笑んだ
「嘘でもそう言ってもらえて嬉しいです」
それは酷く小さくて、
消え入りそうな声だった