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□福田
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序章



集英社
月刊少女漫画りぼん編集部

新人漫画賞準入選
銀のティアラ受賞
読み切り3回
編集部期待の新人




上京と漫画家




「天海さん東京は初めて?」
「いえっ修学旅行と数回遊びに来たことは 吉祥寺は初めてですけど」
「そっか じゃあ暇な時は観光や買い物だね」
「はいっ凄い楽しみです!」
「ハッハッフラ箱の原稿もしっかりね」
「わっわかってます!ちゃんと締切の後に出掛けますよ」


吉祥寺
春から新生活を送る者が多い来るもの去るもの問わずの東京
そこに少し早く
まだ立春も訪れていない年明けを少し過ぎた頃
上京してきた1人の少女が居た


「此処が天海さんの仕事場兼新しいお家」
「わぁ!駅近で近くに色々あって良い所ですね?!」
「荷物は午後届くから部屋をざっと見たら荷物置いてご飯食べようか」
「はいっ!」



卒業後に輝かしいデビューを送る予定だったが
就職希望というわけで受験勉強に勤しむ周りを無視し学生の間に連載をすることになった

月刊誌ということもあるが
長期休みや放課後
はたまた授業中をもネームや作画にあてていたのでアシスタント無しで5号分
つまり数ヶ月分を書き上げていた彼女
年明け半月ちょっとの登校の後
受験勉強に入試と忙しい周りを残して一足先に上京し
1人暮らしをすることになってから
連載作家らしくきちんと仕事場とアシスタントをもらうことになった

親元を離れ初めての土地で初めての1人暮らし
連載は今のところ順調でありある程度の人気がある為
わざわざ編集部の方で仕事場まで手配して貰い1人暮らしが出来た
その期待に答えなければ今後
彼女の生活すら危ういのだが
初めて尽くしの今の現状に上京したての若い彼女は舞い上がっていた

担当に部屋を案内して貰い
今後の話しなどを含めた昼食を近くの若い子向け
少女漫画編集部の社員に勧められた店で済ませると彼女は更に笑顔になった


「凄いお洒落なお店でしたね!」
「気に入って貰えて良かったよ」
「八木さんよく知ってましたね!?彼女と行ったりするんですか?」
「ハハッ残念ながら彼女は居ないけど同僚に聞いたんだよ」
「へーっ流石少女漫画の編集部ですね!」


端から見たら少し年の離れた兄妹
本当は作家と担当なのだが天海が賞をとってから
1年以上前からの付き合いがあった2人は
仲良さげにまだ家具や段ボールも届いていない仕事場兼彼女の新しい家に向かった
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