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□鈴蘭 可愛い人。
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そう、別に特別なことではない。
(不意を、つかれただけ)
(ましてやコイツは男だ。何てことはねぇじゃねーか)
(つーかむしろ気持ち悪がる所なんじゃねぇのか?)
…だけど、確かだった。
それは微かなものだったけど。
こいつの、天海芽生の、俺の首に回した腕が、
男とは思えないほど細くて、柔らかくて、一瞬マジで女なんじゃねーかと疑った。
確信が持てないから、疑うことしか出来なかったが。
「俺、帰国子女なんすよ」
へへっと子供のように笑った。
芽生は4人より先に椅子に座って、4人に早く座るよう促している。
(・・・いい度胸してんじゃねーか)
「お前、面白ぇヤツだな。芽生っつったか?」
(柳さん。)(金髪のオールバックだ)(格好いい)
「ふぁい。芽生っふ」
ストロベリーパフェのスプーンを銜えたままだったから、妙な発音になってしまった。
「航さん、元気にしてっか?もう大分会ってねーが・・」
(好誠さん。)(笑顔が素敵なナイスガイ)(武装五代目頭。らしい。)
「はい、すげー元気です。ありがとうございます!」
私は、いつもより大分テンションがあがっていた。
理由?そんなの私にだって分かんない。
「お前元気だな・・航さんから素顔で笑うなとか言われなかったか?」
「え、何で知ってんだ?河内。」
そんな、いきなり的を得た発言をしてみせたのは、河内鉄生。
髪短いほうが似合うと思う。
「・・・やっぱりな・・」