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□手助けをしましょう
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「逃げられた」
肩をガックシ落として、はあーとため息をつく少佐。
こんなに落ち込んでる姿、初めて見た。海賊でも逃がしたのだろうか。
「また、クザン先輩に逃げられた」
「ああ、大将ですか」
元帥のやつはどうしたんですか?ああ、やっぱりもう引っかかりませんでしたか。
「ごめんね、コビーくん。せっかく怒られてくれたのに」
「いや、全然構いませんよ」
むしろアレでまた、大将が引っ掛からなくてよかったです。
「だから、ほらー」
「何ですか、それ」
「たこ糸」
これをね、端と端で持って廊下の端と端にいて、クザン先輩が来たら、ピンっとはって転ばすの。
「・・・何でそんなに大将がお嫌いなんですか?」
「だって、サボってるのに私たちより給料多いんだよ?ありえないでしょ」
コビーくんは嫌?嫌ならもうひとつの方にする。もうひとつ?まだあるんですか。よく考える人だ。
「クザン先輩のアイマスクにガビョウをつけとくの」
もちろん目が当たる方ね。あ、安心してベガバンクさんに海楼石で作ってもらったガビョウだから自然系の能力者でも効くよ。
・・・何を安心しろというんだ。
「僕は、たこ糸のほうが良いですかね」
「そっかー。じゃあ、たこ糸で頑張ろうねコビーくん」
やっぱり僕がもう片方持つんだ。あーなんかもーいいよ。最近だんだん慣れてきた僕は末期なのかもしれない。
もちろんたこ糸のやつは失敗に終わるのだが。
手助けをしましょう
09.10.27