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□征服
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痛い。船長に殴られたありえない。



「お前は俺を怒らせたいのか」

「そんな自殺行為しません」

「現に今してんだよ」



ぎろ、と睨まれて目をそらした。この人は目で人を殺す気なんだ。



「何か言うことはあるか」

「私は船長を、怒らせるようなことをした覚えはありませんっ」



震える声で必死に、船長に言った。ああ、私バカだ。今自殺行為したよ。でも、船長の言う通り、何か言わなきゃ絶対に殺されるあいたたたっ!頬が取れる・・・っ!



「俺はそんなこと聞きたいんじゃねぇんだよ。謝罪だ、謝罪」

「謝罪って何ですか!私はなにもしてませんもん!」

「刺青いれようとしただろうがっ」



いだだだだだっ!!!引っ張るだけじゃなくて、つねってきた!本気で頬が取れるっ!



「あ、う、う、う」



頬を引っ張る手を、ギブギブと叩けばパッ、と離してくれた。あー痛かった。もう船長ヤダ。



「刺青なら船長だって、キャスケットだって、いれてます!」

「お前は女だろうが」

「そんなもん、この船に乗るときに捨てました!私は、これを完成させます!」



腕にペンで描かれた刺青の下書きを、船長に見せつける。と同時に腕が床に落ちた。



「やあああああああっ!!!!」



腕が、腕が!!あわわわわわっ!船長、船長!なななななにを、!


涙目に船長を見れば、船長は腕を拾い上げ、シャワー室へと消えた。

うう、私の腕が。付け根をさする。うん、やっぱり腕ない。



「あいたたたっ!」



痛い、痛い!腕は無いけど、何か無くなった腕の部分が痛い!

急いで船長の元へと行けば、ボディブラシで思いっきり私の腕を擦ってた。



「ぎゃあ!何してんですか!」



ジャー、と船長は擦ってた腕に水をかけると私の腕をまた能力でくっつけた。

腕が元通りになったのは嬉しいけど、すごくひりひりする何でこんなことをするんですか。



「ああっ、刺青の下書きが消えてる!」

「たりめぇだ。刺青なんかしようと思うな」

「でも、」

「船長命令だ」



いいな、と釘を打たれ私はしぶしぶはい、と返事をするしかなかった。




征服



09.10.25
(俺以外の男に傷なんかつけさせるな)
刺青師は男。

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