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□ちらりずむてろりすと
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ひらひら、階段を上る動作に合わせてスカートも揺れる。その時に、ちらちら見える太ももの裏と見えそうで見えないパンツ。



「これぞ男のロマン。全部見えちゃ、夢が無いよな」



そんな妄想に妄想を膨らませて過ごす昼休み。
中央階段に繋がる廊下にしゃがみ込めば、ナイスなちらりが見放題。階段の踊り場が最高のチラリズムポジションだと知ったのは、ここ最近のことではない。

購買の隣にある自販機で買ったパックのミルクティーを飲んでいると、隣にいるペンギンが"あ"と声を漏らした。



「ナイスチラリズム」



踊り場には、靴下が下がってくるのか…女生徒が前へと屈んでいた。そのせいで、後少しでパンツが見える状態に。(別に夢が無いだけでパンツも嫌いではない。)(むしろ好きだ。)



「楽しそうだな」



ペンギンと一緒に床に体を密着させて、パンツを見ようとしていたら聞こえた声。ぞくっ、と背中に悪寒が走った。ばっ、と上を見上げると、金属バット片手に俺達を見下げる(睨む)キャプテンの姿。あれ…キャプテン、世界の終わりを告げるような目をしてる。



「なあ…。今お前たちが見てる女、誰か知ってっか?」

「さ、さあ…ちょっと分からないっす…はは」



おれは脳内をフル回転させた。やべーよ。チラリズムに夢中になってて気付かなかったけど、あの女生徒よく見ればキャプテンの…



「俺の女だ、くそ野郎」



そう言うと、キャプテンは金属バットをふりお、ろ、し、「ぎゃああああっ!!!!」…げふ、がは…っい、痛い…!いや、何かもう痛すぎて痛いのか痛くないのか分かんない。あれ、血出てるや。はは、大丈夫?生きてるよね?てかまじこの人怖ぇ。痛みを味あわせるために、気絶しない程度で殴りやがった。神の領域だ。



「何?今の声。あれ、ロー。何やってんの?」

「いや、キャスをボールに野球しようと思ってな」



おれの叫び声に振り向いた女生徒にキャプテンは、さっきの顔とは裏腹に優しく笑っていた。い、今のうちに逃げ「キャス」「はいっ!」






「また同じことしてみろ。テメェの臓器をチラリズムにすっぞ」



彼女に笑顔を向けたまま、キャプテンはボソリと呟いた。もう今後一切キャプテンのいる範囲で、チラリズムは楽しまないでおこう。




ちらりずむてろりすと


10.10.20





素敵企画様に提出!ゆうさんありがとうございました。らふめ


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