小説(短編)
□帝王と花嫁
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『永遠の愛を誓います』
そう、神様の前で誓い合い晴れて夫婦になった大和猛と小早川瀬那。
だけど……。旦那様がカッコ良くて、カッコ良すぎて瀬那は、毎日が不安で溜まらないのです!
「…猛くん…」
「ん?なんだい瀬那」
2人は今、瀬那お手製の夕食を仲良く食べている所です。
「これ…、届いたよ」
瀬那が、おずおずと差し出したのは大和宛ての所謂ラブレターだ。
「ああ、ありがとう」
大和は、気にするでもなく食事をしている。
「うん!やっぱり、俺の奥さんの手料理は最高だね」
ニッコリと笑顔で言われて、瀬那はポンッと顔を赤くする。
――因みに、今日は大和のリクエストで中華に挑戦してみた。
酢豚にカニ玉、春雨の中華風サラダなどなどの沢山の料理がテーブルを埋め尽くしているのだ
凄い勢いで平らげていく大和に比べて、瀬那は箸が進まない。
今、渡したラブレターの差出人の名前に覚えがあるから―――