小説(短編)

□帝王と花嫁
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「―――!!」



「大体、奪われるも何も俺が、瀬那と出逢った時には君とはとっくに別れていた筈なんだが」


「そ、それは」

「エリート意識の強い君の事だ、どうせ俺が日本リーグで活躍してるのを聞きつけて、隙あらば付け入ろうと瀬那に近づいた。違うか?」



「―――!…ッ!!」

女は、悔しそうに2人を睨むと、そのまま逃げる様にその場から去っていった。







――その場に、残された2人は……。



「瀬那…」


見上げると、辛そうに自分を見つめてくる大和の姿があった。



「すまない…。泣かせてしまったな」


「猛くん…。僕の方こそ、ごめんなさい」

「どうして、キミが謝るんだ?」

「だって、僕…一瞬だけど…あの人の言葉信じかけたから」


顔を大和の胸に擦り付けて謝る瀬那


大和は、無言で瀬那を抱きかかえて歩き出す。

「うわっ!た、猛くん!?」

「そうか、瀬那には俺の愛がまだ足りなかったんだね?」

「…へっ?」

「それじゃあ、今から嫌という程、教えてあげよう」

「ええぇぇっっ!?」






――大和は、瀬那を抱えたまま(所謂☆姫だっこ)
帰路へ着く。



(因みに、試合は練習試合だったため大和は、出場しない事になっていたらしい)
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