Novel

□第1章
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いつも通りの、少し慌ただしい朝だった。



私は友達の誕生日パーティーへ行くために、急いでいた。予定では余裕を持って出発するはずだったのに、珍しく寝坊をしてしまったのだ。
昨晩、どのドレスを着て行こうか決まらなくて寝るのが遅くなってしまったからだろう。母親のお下がりが沢山あるのは嬉しいが、こうゆう時は困りものだ。



身支度を整えると、両親が笑っていた。

『寝坊なんて珍しいわね』
『ひょっとして熱でもあるんじゃないか?』

母親の発言は構わないのだが、父親のは少々頭にきた。心の広い私でも、不機嫌になる時だってある。

何も言わずに、迎えの車に乗ってしまった。





その笑顔が、最後に見た両親だった。
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