三國物語

□猫の気まぐれ
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『おぅ!周瑜!』

自分の執務室であろうこの場所から、聞きなれた幼馴染の声が聞こえた。
周瑜は思わず、ここは自分の執務室だよな…と考えてしまう。

「策…なんなのだ、君は。」
はぁ…とため息をつき、我が物顔で執務室に居座る孫策に問いかける。
『あぁ〜?暇だったから来た。』
「それよりも自分の執務はどうしたのだ?」
『…お、終わらせたに決まってるじゃんか!』

(…今の微妙な間は一体何だったのだ?)

はぁぁ…。
周瑜は再び大きなため息をついた。

『時に周瑜、お前、猫好きか?』
「…?なぜそのようなことを聞く?」
『何でもねぇよ!で、好きなのか?』
「好き…なほうだ。」

『そうか。うんうん。』


孫策は机の下でゴソゴソと何かをしている。

『ほら!周瑜かわいいだろw』

孫策の手に抱かれえいるのは、小さな小さな真っ白な子猫。

『名前付けたんだぜ!』
「ほう。で、なんて名だ?」
『周瑜。』
「…?なんだ?早く猫の名前を教えてくれ。」
『だから、周瑜。』
「だからなぜ私を呼ぶのだ。猫の名前を…」

そこまで言って周瑜の頭に電球マークが点滅した。

「ま…まさか…」
『猫の名前は周瑜だ!』

ニャン!
まるで返事でもするかのように白いフワフワ子猫が元気になく。

「はぁ…君ってやつは…」
周瑜は呆れ顔でまた溜息をついた。
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