三國物語
□お前のために
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(待ち合わせの時間までになんとか眠気覚まさないと、なにか言われそうだ…)
城の中をどこに行くでもなく歩きまわる夏侯惇は眠気眼ながらそうおもう。
(自分のことにはわからないくせに、人の事となると妙に敏感だったりするからな。アイツは。)
(…まだ時間がある。少し眠気を覚ましてから行くか…。)
外には、椅子がいくつかある。
眠たそうな顔でそれに座った。
(ここがあいてて助かった…。風が気持ちいい。)
そこは風が通り抜け、夏とは思えないくらいの涼しさだった。
「ふぅ…。」
気持ち良すぎて眠っていまいそうだった。
昨日から、これのために体力も気力も使いすぎた。
今日が誕生日のアイツへのプレゼント…。
昨日はこれを探しに城下中の店を探して、あっちこっち散々回って
それでも決まらなくて、
結局いつもの店に行って、親父に無理言って閉店時間ぎりぎりまで…。