テニプリ×東京ミュウミュウ

□@戦いの日々
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千代子は人の流れに逆らって走っていた。


走ったまま手を右手首に巻かれた腕時計に添えた。
この腕時計は見た目は普通の腕時計だが、ある大きな会社が独自に開発した超小型無線付き時計である。
時計としての機能はもちろん、その他にも無線、ライト、ラジオなどの機能も備わっている優れモノだ。
この他にもまだ隠れた特殊機能が付いている。
千代子にとっては一番重要視している機能だ。
それは、ある事件が起こった際に送られてくる救難信号を受信して、それを知らせてくれる機能だ。


……と、時計の説明はここぐらいにしておこう。


つまり、今回も例によって千代子の時計に救難信号が送られてきたわけだ。
千代子は腕を口元に近付けて口を開く。



『ターゲットは?』



その時計に向かって問えば、機会を通した低い男性の声が返って来る。


“新宿の西側にある、最近出来た大きなデパートにいる。そこからだと後500メートルくらいといった所だな”

『了解』


再び時計に触れて無線のスイッチを切ると再び走る事に集中する。
目的地へと向けて。







暫くして男の行った場所に辿りつく。
千代子の目の前には大きなデパートがあった。
まだ新しく、開店オープンしたばかりで人の出入りが多い。
親子連れ、カップル、少々やんちゃしてそうな不良グループなど様々な人でそこは賑わっていた。


――――ここに例のターゲットが



千代子はきゅっと気を引き締める。
そして拳を握りしめた時だった。

ドオン、と地面が大きく揺れた。
ふらつく身体を何とか体制を整える。
人々の悲鳴が聞こえ始めた。


――――敵さんのお出ましってところね



一度溜め息をつくと、制服の胸ポケットに忍ばせていた金色のブローチを取り出した。
ピンクのハートや、羽やらで装飾されたそのブローチに軽く口づける。




『ミュウミュウチョコ、メタモルフォーゼ!』



千代子が叫んだ瞬間、その姿は黒色を基準にした戦闘コスチュームに身を包んでいた。






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