テニプリ×東京ミュウミュウ
□Cカフェミュウミュウ
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日吉の思っていた通り、向日はカフェに着いて早々後悔していた。
「いらっしゃいませーなのだ」
そう言って向日達を出迎えたのは小学生くらいの女の子だ。
そして店内ではさっきから色とりどりな髪色をした女の子達が店を忙しなく行ったり来たりしている。
全員メイド服のような服を着て。
向日は何となく居心地の悪さのようなものを感じていた。
「なあ、侑士。ここって……」
「おおー、噂には聞いとったけど確かに可愛ええ子多いな、メイド喫茶」
「は!?俺、メイド喫茶なんて聞いてないぜ!?普通のカフェかと思って……」
「まあ正確にはメイド喫茶ではないんやけどな。……まあまあ、たまにはこういう所もええやろ?あ、そこのお嬢ちゃん席三人分空いとる?」
「こっちなのだー!」
「おおきに」
小さな黄色い少女に連れられていく忍足の後を向日が追う。
その後ろからジローも着いていった。
店内はピンクをイメージとしたお洒落で可愛らしい造りになっており、思春期真っ盛りな向日は少々気まずくて俯いた。
チッ、侑士の奴後で覚えてろよと内心ごちりながら案内された席に着く。
店内は女性客が多めで、今入ってきた忍足たちを興味津々に見ている。
学校にいる時もそうだが、これでもモテ男上位を走る男だ。
向日やジローも人気がある方で、そんな男三人で固まっていれば注目の的だろう。
落ち着かない様子の向日に比べて、忍足は落ち着いた様子で堂々と店内を観察する。
その間にジローはメニュー表を眺めていた。
「なあなあ、あそこでお茶飲んでる藍色の髪の子なかなかやない?」
「いや、つかあの子も制服着てるし店員だろ?何で優雅にお茶してんだ?」
「あの子はきっとお嬢様気質なんやろな。……あ、あっちの緑色の髪の子もドジっ子そうでええなあ。岳人はどの子がタイプや?」
「あー……ピンクの子とかいいんじゃね」
「俺はねー、あっちの黒髪の子かなあ」
今までメニュー表を眺めていたジローが急に会話に参加してきて、忍足は驚く。
「なんや、メニュー決めとったんやないか?……それにしても意外やな。黒髪の子は他の従業員とかと比べてもけっこう普通そうやけど」
忍足とジローの視線の先には、黒髪を高い位置でポニーテールに結んだ少女がいた。
「言うなれば清楚系っちゅーやつか。確かにポニーテールから覗く項はええよな。宍戸とか好みそうや」
うんうん、と忍足が一人で納得している間にジローが手を上げて店員を呼んだ。
ジローが呼んだ店員は、黒髪の少女だ。
黒髪の少女はジロー達に気づくとピシリと固まった。
それにジローは首を傾げる。
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