テニプリ×東京ミュウミュウ
□G東京ミュウミュウ
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『リボーンショコラフラッシュ!』
ミュウチョコの止めの一撃で蛙のキメラアニマは地に沈んだ。
次いで飛び出してきたパラサイトアニマを瓶の中に回収する。
ここはざくろといた撮影スタジオからは遠く離れた所だった。
おかげでキメラアニマが出現してから大分時間も食ってしまった。
もう今から戻っても撮影スタジオにざくろはいないだろう。
千代子あ一度はあ、と溜め息をつくと踵を返して家に帰ろうとした。
だがその足も、本日二度目のキメラアニマ出現の合図によって止まることとなった。
『れ、連続だと…!?』
きつい。
これは正直にきつい。
でもそうも言ってられないので、千代子は羽を広げると空高く飛んだ。
そのまま飛んで次の目的地まで向かう事にしたのだ。
向かうは某テレビ局スタジオだ。
スタジオに着くとさっそく大きな蛇のキメラアニマが暴れまわっていた。
大蛇の前に立つのはミュウイチゴ、ミュウミント、ミュウレタス、ミュウプリン……そしてミュウザクロだ。
ザクロの姿がある事に千代子は安心した。
でも、どうやら危機的状況のようで千代子も慌てて黒い翼を折り畳み皆の傍に降り立った。
「ミュウチョコ、来てくれたのね!」
『当たり前でしょ!』
イチゴの言葉に千代子はそう返す。
そして千代子が来た途端、全員の持つ武器が光りはじめ、音を鳴らした。
千代子の持つショコラロッドもマイクの部分からメロディーが流れ出した。
全員の武器が互いに共鳴し合っていた。
全員頷き合うと、チョコ、ミント、レタス、プリン、ザクロの5人は両膝を地面に付けて自分の武器を高く掲げた。
全員の力がミュウイチゴの持つストロベルベルに集まってゆく。
ストロベルベルを構えたイチゴはキッと大蛇を睨み付けた。
「リボーンストロベリーチェーック!」
皆の想いをのせた攻撃はイチゴの手によって大蛇へと放たれる。
溢れんばかりの光に包まれた大蛇はやがて消えてゆく。
その様子を見ていたキッシュも一度舌打ちすると静かに消えていった。
キッシュの目論見は失敗に終わったようだった。
大蛇がいなくなり、キッシュも消えた事でスタジオ内には平穏が戻る。
イチゴはザクロの方を見た。そしてザクロの背中に向けて言う。
「ありがとう」
千代子はじっと二人の様子を見守った。
「私、仲間とかって嫌いなの」
ザクロの言葉にイチゴをはじめ、ミント、レタス、プリンはシュンと俯いた。でもチョコは違った。
チョコはザクロの前に立っており、その表情が見えていたから。
軽く微笑んでいたザクロはイチゴたちの方へ振り返った。
「でも、貴女たちの事は考えてみるわ」
ザクロがそう言った途端、イチゴ達の顔も輝く。
「や、やったー!」
イチゴ、プリンはザクロに抱きつき、その後ろでミントが嬉しそうに涙ぐんでいた。チョコはレタスの元へ駆け寄るとこっそり耳打ちした。
『ザクロさん、イチゴやプリンに抱きつかれて満更でもなさそうだね』
「そうですね!」
チョコやレタスの声にも安堵の色が含まれていた。
そして暫くは和やかな雰囲気が流れるのだが……
パッと眩い程のスポットライトの光がチョコ達に浴びせられた。
千代子が前を向くと、そこには大勢の撮影スタッフや監督、マネージャー、観客が全員チョコ達を見ていたのだ。
どうやら先程までここでは撮影が撮影が行われていたらしい。
そして現在進行形でカメラは回っているらしかった。
それに気づいた千代子の頬も引き攣る。
スタッフの何人かがチョコ達に近づいてきた。
マイクを持った渋いおじさんが叫ぶ。
「えー、私にも何が起こったのかさっぱり分かりませんが…とにかくここに6人のスーパーレディ達が現れました!」
カメラはチョコ達を映し出す。
『ねえ、レタス』
「はい?」
『これってさ、もしや全国生中継?』
「そうみたいですね」
『…オワタ』
「わー!チョコしっかりしてください!」
フラーッと倒れそうになったチョコを慌ててレタスが支える。
そうしている間にもイチゴの方にマイクが向けられていた。
突然の事にイチゴは驚きで猫耳と尻尾を立てていた。
そして慌てて質問に答えようとする。
「え、えーと私たちは東京のカフェみゅ…もが!」
慌てていたせいで本当の事をばらしてしまいそうになったイチゴの口を、慌ててミントが押さえた。
「今、何て言いましたか?」
「ミュウ…東京?」
「カフェミュウ?」
「それが貴女たちの名前なんですか!?」
「どうなんですか、教えてくださいよ」
「それってコスプレですか?」
次々と来る質問攻めにイチゴは目をグルグルとさせていた。
しかし、何かを吹っ切ったように両手の拳を握り締めて叫んだ。
「ッええい、もうヤケクソだ!」
そして宣言する。
「私たちは6人揃って正義の味方……」
「「「「「『東京ミュウミュウ!!』」」」」」
6人はそれぞれポーズを決める。
もちろんチョコも恥じも外聞も捨てて…というよりノリと勢いでポーズを取った。
ついでに黒い大きな翼も広げてみせる。
こうなったら出血大サービスだ。
「これからも地球の未来にご奉仕するにゃん!」
イチゴがそう決め台詞を言った所で中継は終わったのだった。
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