テニプリ×東京ミュウミュウ
□E日吉の災難
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夕方頃。
日吉は一人でテニスコート内にある壁でテニスの壁打ち練習をしていた。
部活はとっくに終了しており、他の部員はもう既に全員帰宅していた。
閑散としたコートで日吉ただ一人だけがポツンと佇む。
榊先生に言われた。
自分の打ちやすいように打ってみろと。
言われた通りにやった結果、前よりもいくらか打ちやすかった。
前よりも格段にいいボールを打てるようになった。
―――でもまだまだだ。
自分は準レギュラーという位置に軽んずるわけにはいかない。
もっと大きな目標が別にある。
下剋上。
あの跡部を超える事こそ自分が目指すものだ。
―――もっと……もっと強くなりたい!!
「下剋上等だ!!」
ひたすら壁打ちに明け暮れる日吉を、遥か上空から見つめる者がいた。
氷帝の校舎の屋上へと降り立ち、日吉の様子を眺めている。
「ふーん、熱心だねえ」
――――いい標的、見ーつけた
影は口端を吊り上げて笑う。
やがて、フと音もなく消えた。
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