CP短編

□百夜
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「た〜だいまぁ〜」

「……」

「あッれぇユノ〜?ひとり〜?」

「……」

「もう…、寝てんのかと思ったぁ」


覚束ない足取りで、玄関からリビングまでの短い廊下を壁伝いに近づいてくるジェジュン。

電気を落とした薄い闇の中で、ソファに寝転んだユノの表情がない端整な顔に、流れているだけで観ているのか分からないDVDの画面が反射している。


「……」

「でもね、もし寝てたらねぇ、ユノのこと叩き起こそうと思ってたんだぉ〜あはッ」


舌足らずな喋り方で、カラカラ笑うジェジュンに、やっとうんざりした表情を浮かべたユノがため息と共に声を吐き出す。


「……ジェジュン…お前、こんな遅くまで何やってたんだ?」

「あ〜、はん…ユノ〜好きぃ〜ッあ!」


怒りを抑えた問いに、答えになっていない高い声を返すジェジュンが、ラグに足を取られて躓き転びそうになるのを咄嗟にユノが食いとめる。


「…ッ!あぶないッ…何やってんだ!酔っ払い」

「あっはぁ…ビックリしッたぁ…」


胸の中に抱き止めるジェジュンが纏った、酒に混じったきつい女物の香水の匂いが、ユノを益々不機嫌にする。


「…ッ!ッぷ…酒くさ…ッ」


嫌悪感丸出しのユノの様子に無頓着なジェジュンが、甘えた声でユノを見上げた。


「…ユノぉ、ねぇ一緒にお風呂入ろッ?」
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