CP短編
□演出
1ページ/7ページ
「…うん…、ああ、聞こえてるよ」
到着した空港ロビー、前を歩くチャンミンを気遣いながら、ユノが携帯の電話口に日本語で囁く。
飛行場の外で待つ車までの間、ずっと纏わりついて来るフラッシュと嬌声。
二人は視線も瞬きも返すこともない。
ただ定められた道を、もみくしゃにされながら、まっすぐ歩く。
「…なんで、って…、チャンミンを一人だけ帰せないでしょ?」
電話の向こう側では、拗ねた声が続いているようだ。
「うん…うん、そうなんだ?うん…楽しんでおいで…気をつけて」
辛抱強く会話を続けるユノより先に、うんざりした表情で車に乗り込むチャンミン。
「じゃあ、ね…明後日には合流できるから…もう車に乗るから…うん。わかてる」
開いた車の扉へ、嬌声を浴びながら身を翻す直前、ユノが電話を切った。