CP短編

□演出
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「…うん…、ああ、聞こえてるよ」

到着した空港ロビー、前を歩くチャンミンを気遣いながら、ユノが携帯の電話口に日本語で囁く。

飛行場の外で待つ車までの間、ずっと纏わりついて来るフラッシュと嬌声。

二人は視線も瞬きも返すこともない。

ただ定められた道を、もみくしゃにされながら、まっすぐ歩く。


「…なんで、って…、チャンミンを一人だけ帰せないでしょ?」


電話の向こう側では、拗ねた声が続いているようだ。


「うん…うん、そうなんだ?うん…楽しんでおいで…気をつけて」


辛抱強く会話を続けるユノより先に、うんざりした表情で車に乗り込むチャンミン。


「じゃあ、ね…明後日には合流できるから…もう車に乗るから…うん。わかてる」


開いた車の扉へ、嬌声を浴びながら身を翻す直前、ユノが電話を切った。
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