何をしていても、ジェジュンの視線は彼を探し、見つけては追ってしまう。
強烈なオーラを放つと同時に、惹き付けて止まない少年。
冷たく見えるほど端麗な容姿とはうらはらの温厚で優しい人柄。
時々発するお国訛りさえ愛嬌になって彼の魅力を際立たせる。
「ユノ…」
ジェジュンのため息の先、練習生として芸能プロダクションに入った時の半年先輩、チョン・ユンホ。
中性的な他の練習生たちとまったく違って、ユノは男らしさの典型だった。
面倒見がよく、後輩に慕われ、年上の生徒たちの中でも人望が厚い、堂々としたリーダーシップをとれる少年。
あとからジェジュンはユノと同い年だと知って驚いた。
事務所内でも際立ったダンス名手のユノは、有名歌手のバックダンサーに抜擢されたり、アメリカや中国に遠征していた。
ほどなくして4人組のユニットグループの中にユノと入れた時、ジェジュンは心から嬉しかった。
いつもユノの側に居ることで勝ち得た「親友」の座。
他のメンバーは年上の二人、カンインとヒチョル。
ジェジュンを悩ます目下のライバルはこのヒチョルヒョンだ。
やたらユノにベタベタひっついて、二人きりになりたがる。
プライベートまで二人で仲良く出掛けるのを見ると、本人たちは意識してなくても、ジェジュンにとっては見せつけられているようで穏やかでは居られない。
普段は男らしい先輩が、ユノと出掛ける時は女性が着るようなシャツで二人寄り添うと、美男美女カップルに見えてしまうからジェジュンは余計に腹が立った。