男相手に、ユノはこんな気持ちになるのが不思議なほど、ジェジュンは愛らしかった。
『蠱惑的』
どこに居てもその美しさで一際人目を引くジェジュンは、極度の人見知りのようで、いつもひっそり誰かの後ろに隠れている。
だが、そんな様子が余計に可憐な美しさを際立たせる。
ユノにしてみても、親友であり、いつも気になる放っておけない存在、それがジェジュンだった。
今その頬に煌く涙が美しくて、ユノは唇で拭い取りたい衝動をかろうじて抑え、涙の理由を訊きたくなる。
しかし、ジェジュンはなかなか泣き止まない。
ジェジュンは、ユノが庇護本能の強い少年であることを知っている。
自分が泣いていることで、彼のその弱点ともいえる優しさを利用しているような気がして余計に涙が止まらなくなってしまっていた。
それでも、至近距離で宥めるユノの柔らかな声をずっと聞いていたい、自分ひとりのものにしたかった。
「…ジェジュア……?」
どこか、今までと違う色を帯びたユノの柔らかな声に、ジェジュンはハッと顔を上げる。
その濡れた瞳の艶っぽさに、ユノは魅入られるように固まった。