長編

□scene.6
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ふざけて痛がったユノを心底心配して泣きそうになったジェジュンは、それが彼の冗談だったと知らされた時から、ずっと拗ねたように黙々とユノの風呂の用意をしている。

左手をビニール袋に入れられたユノ。

「ジェジュン…ごめんよ。さっきの冗談だから、ホントに大丈夫だから、右手だけで洗えるから…」


怪我をさせたお詫び、という大義名分を引っさげたジェジュンと、風呂場の脱衣所ではユノの小競り合いが始まっていた。


「何言ってんだよ。濡らしたら傷が開いちゃうだろ?ホラ、ユノ、脱いで脱いで」


機嫌は直ったのか、嬉しそうな声で、ユノの汗を含んだTシャツを剥ぐ。

しなやかに均整のとれたユノの肢体がふわりと漂う芳しい匂いと共にあらわにされる。

なめらかな肌は強靭な筋肉を隠して美しい曲線を作り出す。


「ユノの裸…ホント、キレイだな…」


思わず口に出た感嘆詞と共に、ドキドキしながら跪いてユノのジーンズのベルトに手を掛けるジェジュン。

その様子は、ユノの脳裏に元彼女との淡い情事の場面を蘇らせた。


「や、それは、まずいからッ…自分で脱げるからッ」


ユノは、ジェジュンの手を逃れ、背を向けて自らジーンズと下着を一緒に脱ぎ去る。


「へ〜んなユノ、何がまずいんだよ?…男同士なのに…」


ユノをこの手で裸に剥く大チャンスを奪われたジェジュンは、子供のように口を尖らせた。

それでも、足許まで落としたジーンズを、地団駄踏んづけるユノの乱暴な脱衣の様子が可笑しくて仕方ない。

浮き上がるユノの筋肉の隆起、双丘の膨らみ、魅せられたようにうっとりと眺めていた。


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