長編
□scene.9
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東方神起はデビューを果たし、メディアに出た途端にたちまちトップアイドルに飛躍する。
デビューシングルから出す曲はすべてヒットチャート上位にランクインされ、半年も経たないうちに
何件もの大手スポンサーとのCM契約テレビ・ラジオのメディアから引っ張りだこになっていた。
来る日も来る日も分刻みの仕事の中、体力が一番ある十代の彼らでも疲労の色が濃くなっていった。
宿舎に帰れば言葉もなく自室で眠るだけの生活。
そんな忙殺される毎日でありながら、ジェジュンはユチョンを夜の街に誘い出すことが多くなっていった。
ユチョンと同室のユノが知らないはずもないが、今は少年から青年になる多感な時期。
身体の疲労と共に精神的ストレスも心配だったので二人の夜遊びは黙認していた。
そんなある日、ユノはマネージャーから一人呼び出された。
「ユノ、知ってるはずだけど?最近のジェジュンとユチョンのご乱行」
「ヒョン、すみません。でも、あいつらも若い男子なもんで…ストレスも溜まって…」
「ネットで騒がれてるのは知ってるか?夜な夜な飲んで騒いではナンパ放題やり放題、挙句は人妻を孕ませたのなんのって…」
マネージャーが告げる信じられない事実を聞いて、ユノは頭を殴られた気がした。
「そ、そんな…」