長編
□scene.11
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ジェジュンが歌に生きがいを求めたのは、中学生の頃だった。
同じ時期に知らされた真実は、心に闇を作った。
それでも歌手を目指してがむしゃらに没頭していた時は忘れられた。
そんな時に同じ道を目指していたのがユノだった。
出会った時は、微塵も暗さがないユノを眩しく感じて、逆に反発したものだったが、その男らしく温和な人柄に惹かれ、気付いた時には恋していた。
――ユノはオレの闇を照らして癒してくれる…
その思いは、東方神起になってから益々大きくなっていく。
当初、口下手で引っ込み思案だったジェジュンは、インタビューの際も、ジュンスやユチョンのように気の利いた答えができない。
事務所から、神秘的な美しさを持つジェジュンはイメージ重視で「喋るな」というお達しまで出る始末。
何度も答えに詰まるジェジュンを、カメラを止めてまで導いてくれたのは、ユノだった。
写真撮影の時も、ぎこちない笑顔のジェジュンを、カメラの裏から笑わせてくれるのも、やっぱりユノ。
そして、それは他のメンバーにも引き継がれ、支えられ、助けられるようになって、気付くとジェジュンは心から明るく笑えるようになっていた。
はにかみやで臆病だった自分を変えることができた。
――ユノ、オレは、お前がいないと、ダメなんだ…