長編

□scene.12
1ページ/13ページ

日本への進出が目前に迫った頃、多忙を極めた日々を送る5人。

番組の打ち合わせに全員揃う余裕もなく、ユノが一人代表して居残ることも多くなってきた。


「おかえり、ユノ…おつかれさま」

「あ、ただいま…ジェジュン、寝てていいのに…」

帰宅したユノは、いつもジェジュンが自分を待っていてくれることに、申し訳なく心苦しさを感じた。

以前にも増してジェジュンは、しっかりしてるようでどこか抜けているユノの世話をやいてくれている。


「ん…だってユノばっかり大変だから…今、お茶淹れるね」

「ああ、ありがと、ジェジュン…」


ユノはその間、リビングのソファに疲れた身を沈ませる。

ジェジュンが観ていたのだろうか、テレビ画面からは恋愛映画のDVDが流れている。

長い髪の少女が、背丈ほどある花畑で手を振りながら走って来るのを最後にユノはゆっくり目を閉じた。


――今日の打ち合わせ、明日のスケジュールは…8時集合…


部屋の灯りが消され、身体の上にそっと毛布が置かれたのも気付かない。

ユノは既に眠りに落ちていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ