CP短編
□迷路
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「お?なぁ、アレって東方神起のユノユンホじゃねえか?」
「何言ってんだよ兄さん、こんな真夜中にそんな有名人がこんな辺鄙(へんぴ)な場所に居るわけないじゃ〜ん」
兄は、最近酒に酔うと霞み出す目をさかんに擦る。
「オレ、酔っ払ったかな?…」
弟の言うとおり、海があってもロマンチックなムードも人通りもない田舎町。
闇に溶けそうな漆黒の車に身を隠すようにしている一組のカップル。
後ろから垣間見ただけで、特別な存在感を隠してるように見える姿は余計に目に付く。
こんな所でイチャつくカップルをからかってやろうとしていた兄弟だったが、こっそり隠れながら二人の背後から近づいていく。