――ユノを困らせてる…?
ジェジュンは、しゃくりあげる嗚咽を喉でこらえて声に変える。
「ごめ、ん…ね?ユ…ノ…困らせて…オ、レ、…バカなこと言って、彼女とのこ、と、思い出させちゃっ…て、つらか、っただ、ろ?」
「え?なぁんだ、そんなことで泣いてたのか?バカだなぁ、もうぜんぜん気にしてないんだから、ジェジュンが気にすることないんだよ?」
ジェジュンの泣いた理由がわかると、ユノはやっと解けたように柔らかな笑みを浮かべて、「やさしいんだな、ジェジュンは…」と、その頬を伝う涙を長い指先で拭う。
ジェジュンの長い濡れた睫毛が震え、漆黒の揺れる瞳には、ユノの温かい笑顔を映す。
――ユノ、ああ…ユノ、、お前の1番になりたい…
「そ、れに、ユノが恋人と別れ、て、オレ、、」
言葉を継いでいたジェジュンは、その顔を覗き込んで聞いているユノに抱きついた。
「…わッ!…ッ!」
不意をくらったユノは、ジェジュンの勢いを支えきれず、押し倒される。
「ゴメンッ…でも、嬉しかったんだ…ユノが彼女と別れてくれて、、ひどいヤツ、だろ?オレ…」
床に押し倒された状態のまま、ユノの耳元にジェジュンの声が届く。
ジェジュンにしてみれば告白したも同然の状況下、身体中が心臓になったのではないかと思えるほど動悸が苦しかった。
しかし包まれるユノの温もりが恋しくて、返事を聞くのが怖くて、まわした腕を何度も密着させた。
ユノがジェジュンの言葉を理解するまで、二人その姿勢で固まったまま沈黙が流れる。
ジェジュンにはその数分が永遠に感じた。