長編

□scene.3
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「どしましたぁ?ジェジュン兄さん。今日は元気ないですね?ずと、ため息ばっかりですよぉ?」


周波数の高い声で、心配そうに窺ってくる。

小型犬のようにクルクル変化する愛らしい表情につられて、ジェジュンが笑みを浮かべた。


「や、ユノのダンスすごいな〜って思って…」

「あぁ、ユノ兄さんのダンスは、本当にすごいデスよね。事務所内で1番デスよ!」


自分のことのように自慢げなジュンスの声。

ユノにしても、ジュンスの家とは家族ぐるみで付き合っていて、本当の弟のように可愛がっている。

群がる練習生の中心にユノの姿を垣間見ては、ジュンスの切れ長で黒目勝ちな眼が一層にっこりと細くなった。


「でも、ジェジュンヒョンの歌声だってぇぴか一ですよぉ?」

「そっか…?」

「はいッ!えっと、なんていうのかな?性別不明の不思議に心地よい声?」


一生懸命、元気づけようと励ましてくれているジュンスの言葉に、ジェジュンがブッとふき出す。

「性別不明ってなんだよ?」

「う〜ん、うまく言えませんけど、高い、とか低い、とかじゃなくて、なんだろなぁ?慰めてくれるような声」

自信喪失したとき、ジュンスは最高の癒しをくれる。

決して口からでまかせではなく、本当に思ったことを、しかも良いところを見て褒めてくれる。

ジェジュンは、いつしか笑顔を伝染させてくれるジュンスに、気持ちも明るく救われた。


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