「どしましたぁ?ジェジュン兄さん。今日は元気ないですね?ずと、ため息ばっかりですよぉ?」
周波数の高い声で、心配そうに窺ってくる。
小型犬のようにクルクル変化する愛らしい表情につられて、ジェジュンが笑みを浮かべた。
「や、ユノのダンスすごいな〜って思って…」
「あぁ、ユノ兄さんのダンスは、本当にすごいデスよね。事務所内で1番デスよ!」
自分のことのように自慢げなジュンスの声。
ユノにしても、ジュンスの家とは家族ぐるみで付き合っていて、本当の弟のように可愛がっている。
群がる練習生の中心にユノの姿を垣間見ては、ジュンスの切れ長で黒目勝ちな眼が一層にっこりと細くなった。
「でも、ジェジュンヒョンの歌声だってぇぴか一ですよぉ?」
「そっか…?」
「はいッ!えっと、なんていうのかな?性別不明の不思議に心地よい声?」
一生懸命、元気づけようと励ましてくれているジュンスの言葉に、ジェジュンがブッとふき出す。
「性別不明ってなんだよ?」
「う〜ん、うまく言えませんけど、高い、とか低い、とかじゃなくて、なんだろなぁ?慰めてくれるような声」
自信喪失したとき、ジュンスは最高の癒しをくれる。
決して口からでまかせではなく、本当に思ったことを、しかも良いところを見て褒めてくれる。
ジェジュンは、いつしか笑顔を伝染させてくれるジュンスに、気持ちも明るく救われた。