――ユノ…いい匂い…
音がない中でのダンスレッスン。
離れていくユノの温もりを名残惜しく思いながら、教えられたとおりにポーズを決める。
「そうそう、そこまでオッケー!次のステップに入る前に…こう」
ユノが華麗に円を描いたその時、ガシャンッ!と乾いた音がした。
見るとテーブルの上にあったコップが割れている。
「!ッ痛ッ」
「…ユノ?ユノッ!大変だ、指ッ血が出てるッ!」
ジェジュンは夢中でユノの手首を掴んでは、血が流れる指先を躊躇なく口唇で吸い取る。
「ッ!ジェジュン、危ないよッ、ガラス飲み込んだら大変だ」
舌に残る違和感をプっと掌に吐き出すと、制止するユノに首を振って
「オレのことなんかより、ユノの手に傷残したら…オレ…」
何度も何度もユノの指にしゃぶりつくように、その血を吸った。
「……ジェジュア…」