長編

□scene.5
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――ユノ…いい匂い…

音がない中でのダンスレッスン。
離れていくユノの温もりを名残惜しく思いながら、教えられたとおりにポーズを決める。


「そうそう、そこまでオッケー!次のステップに入る前に…こう」


ユノが華麗に円を描いたその時、ガシャンッ!と乾いた音がした。
見るとテーブルの上にあったコップが割れている。


「!ッ痛ッ」

「…ユノ?ユノッ!大変だ、指ッ血が出てるッ!」


ジェジュンは夢中でユノの手首を掴んでは、血が流れる指先を躊躇なく口唇で吸い取る。


「ッ!ジェジュン、危ないよッ、ガラス飲み込んだら大変だ」


舌に残る違和感をプっと掌に吐き出すと、制止するユノに首を振って


「オレのことなんかより、ユノの手に傷残したら…オレ…」


何度も何度もユノの指にしゃぶりつくように、その血を吸った。


「……ジェジュア…」


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