雫石

□第参話
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『さあ?一緒じゃないけど…どうしたの?』


『いや、さっき食堂方面に向かってたの見掛けたし、神田達がいたから一緒にいるんじゃなかったのかと思ってね…(嘘だけど)』



『ああ…成る程…(嘘かよ)』



優奈は小さく呟いた言葉に苦笑した。




「食堂に向かってたんなら、いるはずだろ…
見間違いなんじゃないんさ?」



『男の人と一緒だったから、もしかして彼氏かなと思って茶化そうと思ったのに…』



「「「………」」」



『『(あ、静かになった…ι)』』



彼氏と言う単語に静かになった三人。

その三人に笑い堪える彼方に、苦笑する優奈。



『彼方、アレン達はエミリちゃんが好きだから、それはショックを受けると思う…』


『えー…でも、本当に一緒にいたんだもん。黒髪に金の目の天然パーマで、タバコ吸ってて…そうだ。おでこに何か模様があった!!』


『(ティキ巻き添え!?)
そんな人、教団にいないでしょ…ι』



「ティキ・ミック?」


「いや、でも教団にいるはずないし…」



彼方の言葉に優奈は溜め息をつき、アレンとラビは目を見開く。

神田は驚いてるのか見えないが、多分驚いている。



『ティキ・ミックか…
その人かもね。エミリちゃん『ティキ』って呼んでたから♪』



『…彼方、まさか本当に…?』


『うん。本当にいたよ。ティキ・ミック…』



顔を青くする優奈に彼方はクスッと笑った。



『ウチと目が合ったしね…。ああ、怖かった』


『……ラビ、そのティキ・ミックって誰なの?』



身震いする彼方に優奈は息を飲み、ラビに聞く。



「ティキ・ミックはノアさ。ノアは俺ら教団の敵で伯爵の味方さ」


「でも、エミリが向こうにいるはずないです!」


『…じゃあ、探せよ。
エミリさんが教団内にいなかったら今は伯爵の所にいるって事でしょ?
教団は大きいけど、エクソシストが入れる範囲ぐらいあるじゃん。』



「人事さね」



『人事だもん。ま、今から1時間以内に教団内調べれるでしょ?その間に居なかったら、伯爵の所にいるって事。つまりは敵だよ』



『あ、私も手伝うね。ほら、彼方は私に着いて来てよ!』


『Σ何で』


『迷子になっちゃうから!』



優奈はそう言って彼方を引っ張った。



「じゃあ、俺とユウは左半分を探すさ!アレンと優奈……と彼方は右半分よろしくな!」



「はい!」


『ラジャー』


そう言って、食堂を皆は離れた。






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