ひたむきヒロイン

□第陸話
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「奴だ!!」



神田の言葉が合図のようにキリクとアレンは周りをみた。


キリクはまだ理解出来てなく、頭が混乱している。



『…ハッ』



ドクン




『ハッ…』




脈を打つ音が響き、息も荒くなる。




ドクン







『…っら、ララ!!』




無意識の内にララの名前を呼ぶ。





ドッ



キリクの叫びと同時にアレンの後ろから砂が飛び散る。



ばっと三人はそちらに向く。




ズリュ!




「イノセンスもーーらいっ!!」




そこから出て来たのはララのイノセンスを持ったアクマだった。


アクマの槍のような爪の先には胸を貫かれたグゾルがいる。


反対の手にはもう人間の形も無くしたララ…




そしてアクマはドサとグゾルとララを落とした。



「ラ…ララ…



ララ…」



グゾルは刺されてもなお、ララに手を伸ばし、名前を呼ぶ。






「ほぉーーー
これがイノセンスかぁ」



アクマは奪ったイノセンスを珍しそうに眺めている。













許せない…






ピリ




ピリ


ピリ




「!?」





ピリ

ピリ





その場所で冷たい空気が流れた。






「『返せよ
そのイノセンス』」




キリクとアレンはアクマを睨み付けた。


その時アレンの左腕…

つまりイノセンスはボコボコと音を立て、形を変えていた。



それと同時にキリクの喉は光を灯し、蝶の形をしたタトゥーらしき物が浮き出た。




「返せ」



『イノセンス…発動!』




二人は怒りをイノセンスに変え、それを力にしようとする。




「ウォ…ウォーカー殿とキリク殿の対アクマ武器が…」



「造り変えるつもりだ


寄生型の適合者は感情で武器を操る
宿主の怒りにイノセンスが反応してやがんだ」



神田はトマに判りやすく説明をした




「(それにしても
なんて禍々殺気を放つんだ…あいつら

武器がその姿を形にしているようだ)」





ドン



アレンは造形が出来てないにもかかわらず、アクマに向かって行った。



「バカ!まだ武器の造形が出来てないのに…」




神田が叫んだ途端、アレンのイノセンスは造形完了した



それは、銃の形をしていた。


そしてアレンは撃つ…




「(撃った…!!)」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドド


ドン





アレンはララとグゾルをキレイに避け、撃った。


だが、そこにはアクマの姿は見えない。




ギン



アレンは左目を頼りにアクマの居場所をつきとめた。

アクマは隠れる事なく砂の中を走るように通っている。




ザザザザザザザザザザ





「そんなんで砂になっている私は壊せないよ〜」



アクマは笑うように言った。



『ほぅ…つまり触れる物は無駄…と?』




「ぎゃはははっ
少しは賢い奴がいるじゃねぇか!」





『バカが…墓穴を掘りおって…』





キリクはニヤリと笑う…








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