雫石
□第参話
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『そういえば、三人共エミリちゃんと一緒じゃないんだね』
「まぁ、いつも一緒なワケじゃないんで…」
「俺はいつも一緒がいいけどな♪」
「「オイ、馬鹿兎」」
「Σひっ」
ラビが言った言葉にアレンと神田はラビを睨みつけた。
それに対し、ラビは小さく悲鳴を上げる。
『ふふっ三人ってエミリちゃんが大好きなんだね。昨日なんか抱き着かれた時、顔真っ赤だったよ?』
「み、見られてたんですね…//」
『うん!ま、エミリちゃんは可愛いから赤くなるのも当然かな』
クスと優奈が笑うと三人は顔を赤くする。
「そんな事ないさ!優奈も十分可愛いって!」
『Σないない、それはない!!それを言うなら歩美とか彼方とかでしょ!』
「だって、二人ってリナリーの味方だろ?」
『(それって関係あるのかよ)味方だろうが敵だろうが私は可愛くないの』
優奈はそう言って、再び食事にありついた。
『あ、優奈!おっはよー!』
『あ!おはよう、彼方♪』
そこで、彼方が食堂に入ってきた。
もう食事を持っているので、今と言うよりちょっと前に入って来たのだろうと見られる。
『あ、アレンもおはよう♪』
『待て待て、ラビと神田は!?』
優奈はラビと神田をスルーしてアレンに挨拶する彼方に素早くツッコんだ。
『あっはっは!見えなかったよ!おはよう、ラビと神田も』
『ちょっ!見えなかったって完全目の前にいるんだけど!?しかも、『も』を強調したな!?』
「あははι
おはようございます、彼方…」
「…おはようさ」
アレンは苦笑すると、少し黒い笑みで挨拶してくれた。
ラビは挨拶をしながらも彼方を睨んでいる。
神田は……うん。ただ睨んでるだけ
『んふふ、ウチってば、完全に嫌われちゃった系ッスか?』
『大丈夫だよ。彼方と歩美を真実に導くって言ったんだから、その時まで仲良くなれなくても、仲良くなれる日が来るって!ね?』
『そう信じておくよ。それより、エミリさんは?』
彼方は一度ニッと笑うと、辺りを見渡した。
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