雫石

□第壱話
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『……ん』




うちは今…どこにいる?



ガバッ




『そ、うだ!!あの風で下に落ちて…あれ?風で下に落ちるか?違う違う…下に落ちて風が…あら?』




うちって何があったんだっけ…ι

ってか、何か忘れてないか、自分…





チッ




チッ




チッ




チコーン





『優奈と歩美がいねぇんだ!!』



なるほ!!そういえばあの二人どこに……の前に自分がどこにいるの?





サァアァァアァ




『………』




ガサガサ




『…………明らかに森ん中ッスよね…』



見渡しても見渡しても木ばかりがある…




『なんじゃこりゃ…』




あり得ないよねぇ…あはは☆


夢でも見てるのかなぁ?うふふV早く目を覚めろよぅ



バキッ




『あだっ!!』




……うん…自分を殴るって痛いな…



『っつか、痛いって事は?』




  げ・ん・じ・つ





『………』





サァアァァアァ



『歌でも歌おう…


歌詞、作曲:彼方



嗚呼…


今私に風がするりと通り抜けた


その風は心地よかった


でもね…


その風は知らせたの




死が近いってね








……………………………………うふふ…歌ってどんなんでした?
っつか、歌になってねぇよ』




あは☆
そろそろ現実逃避がしたくなったみたい




『どうせなら、あのまま下に落ちてゴシャッてブチッてドゴッてボキッてアボラギョバガラッて…

『『怖い怖い』しかも最後のアボラギョバガラッて何…ι』



ん?何の声?




サァアァァアァ




風の声?



『……あー良かった』




『『いや、違うでしょ』』



………何の声?



『歩美の声』


『優奈の声』



『あー良かった…って良くねぇよ!!アンタら何処にいた……ん…て、や…?』



うん…いいんだよ?




声がした方向に向いたのはいいんだよ?



え?何?笑えですって?


そりゃあ、お望みどおり…




『ブッブハーッッ!!アハ、アハハハハハ、アハハハハハハハハ!!歩美ってば、何て格好を…プッ…クックックッ』



『どう見ても木に引っ掛かってたんだよ。』



『な、何故に…』



『しらん!!でも、器用に寝てた!!(ドーン』



うっわ、恥ずかすぃ…
歩美の状況を詳しく言うと、制服の後ろが木に引っ掛かって、子猫の状態です。




『ところで優奈は?』

『あ、ここでーす!!』




ここでーすってど………こ?




『これもウケ狙いで?『違う』……あ、そう?』



『優奈の格好すごいね』




優奈の状況は木に手足を絡まれています。



『絡まれてるなぁ…』



『絡まれてるね…』



『絡まれてるの』




うん。みりゃあ分かるよ?



ギチギチッ



『でさ、思ったんだけど木に絡まれてるって…木って動くの?』



『あはは、まっさかぁ』


ギチギチッ

『そうだよ!偶然絡まれて見えるような体勢になっただけでしょー』



『あはは、そうだねー』



ギチギチッ



『『『……』』』




ギチギチッ
ギチッ
















『『絡まれてるーーーっ!!』』

『いやぁあぁー!!助けてーーっ!(泣』





なんと優奈は木に絡まれていたのだ!



『早く助けてー(泣』



優奈は嫌だと言わんばかりに体を左右に揺らし始めた。













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