ひたむきヒロイン

□第参話
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「てめぇ誰だ…」



『誰だ?ハッ名前は自分から名乗るもんだぜ?』




キリクは鼻で笑い、神田を睨みつけた。




「アクマかもしんねぇ奴に言っても仕方ねぇだろ」



『はぁ…そうかよ?っつーか昨日会ったぜ、俺ら』



「は?」




神田の頭の上には疑問符が浮かんでいた。




『っつか、手ぇ離せよ!!』




キリクは神田の手を振りほどいた。




『俺はキリク・リディンスだ』



そう言ったキリクと神田の上では、雲から満月が現れた。




「…ぁあ…あの時もやしといた奴か…」



『は?もやし?』



「白髪の奴の事だよ」



神田がそう言うとキリクは納得したようにぁあ…と言った。



『それよりお前、修錬場があるっつーのにここで何してたんだ?』



「お前には関係ない」




キリクが聞くと、神田はスパッと切り捨てた。




『……まぁ確かにな…』



「分かったら、さっさとどっか行け」




『言われなくても眠くなったし行くっての』




キリクは欠伸をしながら言った。


神田はキリクがちゃんと去るのを見届けようと見ていた。



『そんなガン見しなくても行くっつってんだろ…ι』


キリクはそう言うと、神田に背を向けた。



『そうだ』



「…」




キリクは神田の方を向いた。




『いつかでいいから暇があれば、俺の相手しろ!』




「は?」
『じゃーな』




キリクは神田の返事も聞かずに去って行った。









「…拒否権なしかよ」




神田はキリクが行くとため息をつき、また目隠しをして、修錬を始めた。












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