企画

□白と黒の意味
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文:月影 眞

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これは近所に住む男の子の話なんだけどね。




白と黒の意味


語り手:プーチン







 その子、1週間くらい前だったかな?お母さんと一緒に交通事故に遭ったんだって。

 それでね、お母さんは亡くなっちゃって、その子も一時期意識不明の重体だったの。でも、目がさめてからおかしなことを言いだしたんだ。


「近所に住む、赤い髪のお兄ちゃんが連れて帰ってくれた」と。



その子が言うにはね、
駅のホームでお母さんと手を繋いでベンチに座っていたら、スゥーっと音もなく電車が一台だけやってきたんだって。そして、その子だけ乗せてくれたらしい。


 それを見たその子のお母さんが「行くな!」って、それは恐ろしい顔でその子を電車から引きずり出そうとしたんだ。



けど、



 真っ黒いコートを着た人と、真っ白いコートを着た人がその子をお母さんから引き剥がし、電車に乗せてくれだんだって。


 そして、その子と真っ黒いコートを着た人を乗せると電車はどんどん加速していって、慌ててその子が窓の外を見ると真っ白いコートの人の横で"いつものお母さん"がこちらを見て、笑って手を振っていたんだって。


 そして、どんどん加速する電車につられるようにその子は目を覚ましたんだ。



 これで話は終わりだけど、僕は昔おばあちゃんから聞いた話を思い出したんだ。





白は逝く色、






黒は見送る色、


 ってね。だから、その子はまだ逝くべきではなかったんだと思うんだ。きっとお母さんもそれが解って、笑ってくれてたんじゃないかな?




 これで本当におしまい。え?大事なことを忘れてるって?
うーん………なんだろう……?

ああ!なんでその子が彼らだって解ったかてことね!!

 まぁ、赤い髪の人なら他にもいるかもしれないけど、その子が言うには同じ顔で、同じ所に歯車のような形の大きな傷があったんだってさ。

そんな偶然あるわけないでしょ?だから、その子が見たのは僕の大好きなあの"双子"だと僕も信じてるんだ。







そしてもう一つ、


彼らが好む色も、白と黒だから









<暗転>
















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