Dark†Goddess

□第1夜
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AM5:10
 普段よりもすこし早めに目が覚めた私が廊下を歩いていると、見慣れたポニーテールが視界に入った。



『神田!おはよう!』

「ミアナか。」



 神田はおはようなんて滅多に言わない。
 ただ振り向いて名前を呼ぶ。それだけ。



『これから任務?』

「あぁ」

『へぇ、今回はどこに行くの?』

「ドイツ北部のダンケルン村だ。探索部隊(ファインダー)が消息不明らしい。」

『そっか…気をつけてね。いってらっしゃい!』

「あぁ」



 そして、神田はそのまままっすぐに水路へ向かい、任務へと出かけていった。








 次の日、私がリナリーに会いに科学班のところへ行こうとすると、途中で任務帰りの神田をみつけた。


『おかえり、神田。どこに行くの?』

「医療室だ。」

『珍しいね。いつも行かないくせに』

「ほっとけ。」



 任務帰りの神田は機嫌がよくない。そのうえ私がからかうように言ったことが苛ついたらしく、青筋がたっている。



『ゴメンゴメン。じゃあ私は科学班に行くから』



 でも、本当に久しぶり。神田が医療室に行くなんて何時ぶりだろ?




≡≡≡≡≡≡



 同じころ、教団の周りを囲む崖を精一杯登っている一人の少年がいた。



?「な…なんでこんなトコにあんなもん建てたんだ」



がしこ!

ハー ハー



?「や…やっと着いた…」

?「エクソシスト総本部…黒の教団」

≡≡≡≡≡≡




『こんにちは〜』



 科学班の研究室に入ると、室長であるコムイさんを除いた皆が集まって外のモニターを真剣に見ている。



『リナリー、どうかしたの?』



 私は一先ずみんなと一緒にモニターを見ているリナリーに声をかけた。



「あっミアナ。あのね、人が来たみたいなの」



 モニターを見ると、白髪で金色のゴーレムを連れた男の子が立っていた。



?「なんだいこの子は!?」



 いきなり後ろから声がかかる。



「ダメだよ部外者 入れちゃ〜〜〜〜〜〜〜なんで落とさなかったの!?」

「あ。コムイ室長、それが微妙に部外者っぽくねーんスよね」

「ここ見て兄さん。この子、クロス元帥のゴーレム連れてるのよ」

『コレってティムキャンピーですよね?』

「!」

?〈すいませーん。クロス・マリアン神父の紹介で来た アレン・ウォーカーです。
教団の幹部の方に謁見したいのですが。〉

「元帥の知り合いだ!」「あの人生きてたのか」



 ゴーレム越しに届いた声に対して、みんな思い思い(主にクロス元帥に関して)の反応をする。



「「紹介」って言ってますけど 室長何か聞いてます?」

「…………知らない」

〈後ろの門番の身体検査、受けて〉

「え」



 アレン・ウォーカーという男の子はリーバーさんに言われて始めて門番の存在に気づいたらしく、門番をみて冷や汗をかいていた。
門番は顔だけでできたような存在だから、初めてだと威圧感がすごいのだろう。



「………」

「………どうも」



 ぐおっと門番の顔が近づく。



(ひっ)



 アレン・ウォーカーは驚いみたい。だけど、あれがいきなり近づいてきたら誰でも怖いと思う。




 門番の検査が始まったが、何時もよりやけに時間がかかっている。




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