Dark†Goddess

□第2夜
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 朝、いつもどおりに起きて食堂に向かっていた私は、辺りを見回しているアレンを見つけた。



『アレン?』

「えっ?あっ!ミアナ!」

『おはよう!』

「おはよう。食堂へ行くんですか?」

『うん!そうだよ。アレンも?』

「はい。ただ…迷ってしまって…」

『じゃあ一緒に行かない?』

「はい!」



 恥ずかしそうに笑っていたアレンは、にっこり笑って元気な返事を返してくれた。

 それからアレンにジェリーさん逹のことを教えながら食堂へ向かった。

 食堂に行くまでにアレンはなんども違う方向に進んでいた。もしかして方向オンチなのかな?








 ガヤガヤと賑やかな食堂に着くと、いつもどおりジェリーさんの元気な声が聞こえてきた。


「Bセットおまちどーん。お次はなにかしらー?」

『おはよう!ジェリーさん!』

「アラ、おはようミアナちゃん!と、アラん!?新入りさん?
んま――これはまたカワイイ子が入ったわね――!」

「どうも。はじめまして…」



 ジェリーさんはアレンが気に入ったみたいで何だか瞳が輝いている。
 アレンはジェリーさんの勢いに驚いているみたい。



「何食べる?何でも作っちゃうわよアタシ!!」

「何でも…それじゃあ…
グラタンとポテトとドライカレーとマーボー豆腐とビーフシチューとミートパイとカルパッチョとナシゴレンとチキンにポテトサラダとスコーンとクッパにトムヤムクンとライス
あとデザートにマンゴープリンとみたらし団子20本で」


「あんたそんなに食べんの!?」



 しかもアレンはちゃっかりと量多めで頼んでいる。
 あの細身であんなに食べられるアレンもすごいけれど、あんなに覚えられるジェリーさんもすごいと思う。



「ミアナちゃんは何にする?」

『うーん…じゃあオムライスで』

「なんだとコラァ!!」



 突然響いた大声に思わず肩をびくつかせてしまった。いまのはたしか探索部隊(ファインダー)のバズの声。どうしたんだろ?



「もういっぺん言ってみやがれ。ああっ!!?」

「おい やめろバズ!」

「うるせーな。メシ食ってる時に後ろでメソメソ死んだ奴らの追悼されちゃ、味がマズくなんだよ」

「テメェ…それが殉職した同志に言うセリフか!!俺達探索部隊はお前らエクソシストの下で 命懸けでサポートしてやってるのに…それを…それをっ…メシがマズくなるだと―――!!」



 感情が昂ったバズは神田に殴りかかるが、神田はそれを背を向けた状態であっさりと避け、自分より体格のいいバズの首を掴んだ。



「うぐっ」

「「サポートしてやってる」だ?違げーだろサポートしか
・・・・
できねェんだろ。お前らはイノセンスに選ばれなかったハズレ者だ」



 神田は首を掴んでいる手に更に力を入れる。



「げふっ」



「死ぬのがイヤなら出てけよ。お前ひとり分の命くらい いくらでも代わりはいる」

「ストップ」



 アレンが神田の手首を掴み神田を止めるが、神田は手を離そうとも、力を緩めようともしない。


「関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ」

「…………放せよモヤシ」

(モヤ…っ!?)「アレンです」

「はっ 1ヵ月で殉職(くたばら)なかったら覚えてやるよ。ここじゃパタパタ死んでく奴が多いからな。こいつらみたいに」



 神田がバズを見ながら嘲笑を洩らすと、アレンが神田の手首を掴む手に更に力を入れ、神田はようやくバズの首から手を離した。
 けれどバズは気絶したらしくなんの抵抗もせずに床に倒れていった。



『探索部隊さん。バズを医療室に運んでもらえますか?』

「あっあぁ」

『それから追悼なら大聖堂でやってください。食堂は食事をする場所です。場をわきまえてください。せっかくジェリーさん達がおいしいご飯を作ってくれているのに、台無しになってしまいますから』



 私と探索部隊が話している間にも神田とアレンのケンカは続いていたのか、2人の間に炎が見える。



『神田っ』

「あ゙ぁ?」



 気がたっているらしく凄んでくる神田は、やや殺気だっていた。
 殺気が向けられているのは私じゃなくて、アレンだけれど。



『神田の言ってたことは間違ってない。けど言い過ぎだよ。それからアレンとケンカしないの』






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