永遠の自由落下


□再戦
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 * * *





 しゅっ、しゅっ、しゅっ・・・

 広く使い勝手のよさそうな部屋。部屋の主の奇妙な「コレクション」さえなければ、非常に居心地のよさそうな部屋だ。
 そこに、目にもとまらない速さで空中に蹴りを繰り出す者がいた。





 シャドームエタイはルッスーリアの毎朝の日課。これがないと一日が始まらない。
 



「おしまい♡」
 誰もいないのに、語尾にハートが付いている。やはり彼は生粋のオカマだ。
 気持ちのいい朝を迎えるため、彼は厚いカーテンを開けた。







 その瞬間、スクアーロとハヤブサ,野次馬たちが目に入った。
















 ハヤブサは剣を逆手に引きぬき、スクアーロが勢いよく振り下ろした剣を受け止めた。

 ハヤブサはほとんど完璧にその衝撃を受け流し、スクアーロの剣を軽くはじく。そのまま頭上に剣を振り上げ、空中で剣を離した。

 スクアーロの気がそれている間に、蹴りを繰り出すが、あっさりとかわされる。

 動じることなく、空中で剣を順手に持ち替え、その勢いで剣を回すように横から斬り付ける。

 ガチン!

 スクアーロはそれを左手首で受けた。硬質な音が、彼の左手が生身ではないことを示した。

 そこからハヤブサは一気に攻勢に転じた。休むことなく剣をふるい続ける。直前までスクアーロがそうしていたように。
 
 キーンキーンキーン!!!

 金属音が続く。攻めるハヤブサの剣と受けるスクアーロの剣とがぶつかる音。

 音の間隔は徐々に狭まり、次第に一つの長音のように聞こえ始める。

 少しずつスクアーロが引き始めた。

 口元に笑みを湛えて。






 野次馬たちはじっと見守っていた。否、戦いのあまりの激しさに、ただ呆然と眺めていることしかできなかった。

 彼らだって、泣く子も黙るVARIAの一員だ。

 しかし、それでも、二振りの剣を目視できるものはおらず、霞む銀をかすかに目に映せたものが者が2,3人いただけだった。
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