居候

□再会
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 ショップの照明で煌めく夜の街。もう日付はとっくに変わっているというのに、街は人であふれかえっている。











 その中を、黒いロングコートを翻して颯爽うと歩く人物が1名。銀の長髪、高い身長、何にもましてその鋭い目。もっと注視されてもいいはずである。それでも誰も彼に目を止めないのは、彼が気配を消しているからに他ならない。

 人ごみの中を止まることなく歩いていた彼が、道の半ばで足を止めた。

 「ファルコかぁ…?」

 彼が声をかけたのは、道の端でうずくまる、毛先の跳ねた黒髪の女。

 ファルコと呼ばれた彼女はノロノロと顔を上げると、うつろな瞳で彼を見つめ返した。

「スクアーロ…?」

「あ”ぁ。てめぇ、こんなところで何を…?!」

 ファルコは男の名を呼ぶと、蹲ったままの状態で泣き始めた。

「…お前、酔ってんのかぁ?」

 ファルコは頷いたように見えた。

 泣きやむ気配のないファルコに、スクアーロは深くため息をついた。

「ったく…」











 午前0時12分。街を行くものは、誰ひとりとして彼らに注意を払わなかった。
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