スクアーロ短夢

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「スクアーロ」

「んだぁ?」

「機織って」

「…んだぁ、藪から棒に」

「いいから、早く。」

「…無理だ。」

「え、嘘、まじで。今時鶴だって機織れるのに、あの剣帝様のスクアーロが、そんなまさか。」

「いや、普通織れねぇだろぉ。そもそも、あれは助けてもらった鶴が自発的に織る所が話のみそだろぉ?」

「何げに詳しい…(今時ってとこは突っ込まないんだ)」

「そんくらい常識だぁ。」

「へぇ、日本昔話がイタリア人暗殺者の常識、ふーん、へーえ、」

「うっせぇ!機織って欲しかったら、まず俺を助けることだなぁ。」

「えー、めんどくさい。ていうかさっき《織れない》って言ってたじゃん」

「まぁな」

「大体助ける前に鶴は罠にかかるんだよ?スクアーロが罠に掛かってくれなきゃ助けらんない。そうか、罠に掛かれば「断る!」…」

「…」

「…」

「…う゛ぉおい、どうしたぁ…?」

「…ぐー」

「う゛ぉおい!俺の部屋に寝るなぁあ!!」

「…むぐっ!?空飛ぶチョコレート散し寿司が…???」

「おい、こっちに戻ってこい」

「え、あ、うん。…何の話してたっけ?」

「機織りだろぉ」

「そうでした!じゃ、よろしく!」

「嫌なこった。」

「…じゃ、機はいいから…







…泣いて」

「…っはぁ?!何言ってんだてめぇ?ていうか何で俺の部屋に居んだぁ、仕事の邪魔しに来てんなら帰れぇ!」

「酷いなー。ちょっと宿題が難しいから手伝ってもらおうと思って来てやったのにぃ、にいにい、新潟犬ー。」

「…」

「…」

「…もっと暇な奴居るだろ、そっちに行けぇ。」

「え?!新潟犬スルーしちゃうの?!」

「うっせぇ!わざと流したんだよ!わざわざ蒸し返してんじゃねぇ!」

「…うん。…でも、だってさぁ…ボスは怖いし、ベルは頭良すぎて逆に説明解りにくいし、リア姉の部屋はなんかグロいものがあるから集中できないし、フランは「嫌ですー」って言って教えてくれないし、レヴィは生理的に受け付けないから論外だし…。スクアーロが一番聞きやすい。

後なんか落ち着くし。勉強捗るんだよね。仕事してる横だからな?」

「…落ち着く?」

「あ、今ちょっときゅんときた?」

「く、来るわけねぇだろぉ、てめぇに落ち着かれても困るぞぉ!」

「まったまた〜、照れちゃってもう可愛いんだから〜」

「あ゛ぁぁあ゛あ゛!うっせぇぇえ゛え゛!!ガキは黙って宿題殺ってろぉ!」

「変換間違ってる…!…まあ兎に角、話を戻そうか。機織ってくれないなら泣いて。」

「急に戻ったなぁっ?!それも断るけどなぁ。」

「えー頼むよー。そうだ、ボス呼んできたら泣く?泣いてくれる?」

「てめぇ、頭沸いてんのかぁ?」

「そうだよねぇ、ほぼ毎日DV受けてるけど、スクアーロが泣いてるとこ見たことないし…一々泣いてたら干乾しになっちゃうね、かっこわらい」

「何笑ってやがる」

「いえいえ。そういう訳で、泣いて。」

「どういう訳だ。断る」

「ねえスクアーロぉ、頼むから「無理だぁ」お願「無理」どうか「むりぽ」むりぽってなんだよっ?!」

「無理なもんは無理だぁ。」

「…作戦隊長のくせにぃロン毛のくせにぃ剣帝のくせにぃ」

「関係ないだろぉ」

「はぁ…残念だったな…本当かどうか確かめたかったのに」

「あ゛?何をだぁ?」

「いえいえ、こちらの話、なんでもないれすよ、だって俺、助っ人だもん、クフフ♪」

「う゛ぉ゛い!混ぜんな、きめぇ」

「ま、という訳で、スクアーロ隊長が冷たいからミーは帰るぜぇぇ」

「だから混ぜん「ばいばいスクアーロ【ガチャンバタン!】」行っちまった…しかし…あいつは何を確かめようとしてたんだぁ…?

しかも持ってきた勉強道具一式置いて行きやがって。



…なんだぁ、ジャポーネの漢事典じゃねぇかぁ。…ん?」





【鮫】


熟語


【鮫糸肖】(コウショウ)鮫人の織ったうす絹。水に入れてもぬれないという。竜紗。

【鮫人】(コウジン)水中の妖怪。人魚。南海にすみ、水中で機を織り、泣くときは真珠の涙をこぼすという。




「…くだらなすぎて怒る気もしねぇ…」

「ごめんスクアーロ、勉強道具置き忘れちゃったみたい。所で、機織るか泣く気になった?」

「(俺は妖怪じゃねぇ…)」
「ん?何か言った?」

「何でもねぇ。」

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