incident!!!
□incident!!!#07
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風早と爽子は
保健室のドアをゆっくり開け、辺りに誰もいないことを確認してから廊下にでる。
2人は互いの顔を見合った後、コクリと頷いて図書室に一番近い階段の方に足を進めようとした。
しかし、風早がハッとした顔をしたと思ったら爽子の方をじっとみてきたのだ。
爽子は疑問符を打つような顔して風早を見返す。
すると風早が小声で
「黒沼。何かあったらいけないから、俺が前を確認しながら行くね。」
そういいながら壁際でそっと前の様子を見出した。
爽子はそれをみて、一瞬何かを考えるように手を顔にあて、「なら私は後ろを見るね」と言いながら風早の背中と自分の背中を合わせるように近付いた。
「………うん、ありがと」
風早は爽子の方を見ながらそれだけ言うと視線を前に戻す。
(よし、今はいないな…。)
充分に確認し、風早は前を見ながら爽子に行こうと声をかけ、手を差し出した。
爽子は頷くかわりに、しっかりと風早の手を握る。
そして2人は
図書室へと向かうため
階段の方へ走って行った―。