読物短編
□風早君を観察したら…?
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気付いちゃった…。
―――風早の行動パターン!!
『風早君を観察したら…?座談会ver.』
「えーと、まとめるとこういうことになるわね」
あやねはノートにビッチリとある物を書く。
その『ある物』とは。
毎回面白おかしくやってくれている
風早と爽子の『観察帳』なるものだ。
まぁ、薄々わかる方もいるかもしれないが、
これは爽子のことはあまり書かれてない。
もちろん、
9割が風早関連になっている。
それは日々自分たち(あやね・ちづ・ピン)が有利な状況になるためのいわば秘策。
これから、なにが起こるかわからないし、
なにより、からかいがいのある奴だ、
ここぞとばかり書いておいて
弱みを握っておけば物凄い面白いのは間違いないのだ。
そして、このノートはそのために
観察し隊を結成(ピンは勝手に遭遇してるから入ってはいない)してからの記録がびっしりとまとめられているのである。
「…うーんと、まず基本的になんかいちゃいちゃしてるのを目撃するのは、学校でもあるよね。」
あやねとちづはあの事件のことはもちろん知っている。(この場合はピンの観察し隊で描かれたもの。)
あと、ちづが仕入れた龍情報(拍手ミニVer.でのこと。)やちづ自身が目撃しているものもある。
「やっぱ、風早はムッツリだったのもわかったわね。」
なんとなく手を出すのをためらう割には思い切った行動を多々行ってきた風早を目にしてきた2人は、
もうこの際、「むっつり」宣言させてたろうかと思うくらいだ。(まぁ、そんなことすると爽子が可哀相なので、こっそり当分は広めていく予定なのだが。)
「あ、でも、まぁ、うちらのおかげで、あーんなにラブラブになったんだし、爽子も楽しそうだし、これもそろそろ――「甘いわよ、ちづ。」…へ?」
いきなり真剣な顔をしてきたあやねにすっときょうな声を出してしまったちづ。
だが、そんなこと気にもせずあやねは続きを口にする。
「まだ、残ってるわよ。観察しなきゃいけないこと。(ニヤニヤ)」
「…(やのちんこわい)…な、なんですかね、それ。」
「…なに、ちづ、わかんないの?」
「…すみません…わかりません…。」
「(はぁぁ…)あ、そう。じゃ、またそれは今度にするわ。」
「え!!なんで!!いいじゃん!教えてくれたって!」
「だーめ。ちょっとちづには早かったかもねー。」
「ナニそれ!!(怒)早いとか遅いとかあんの!?」
「あ・る・わ・よ!でもまだ内緒〜(ちづもまだまだねvv)」
「えぇぇえぇ…(すっげぇ気になる…)!!」
「まぁまぁ。これからが一番の楽しみになってくるんだからvもうちょっと待ってれば思った通りにな・る・か・ら!」
「…(なーんか、すっごい変なこと考えてるってーのだけはわかるわ…)」
「ふふふ…爽子も大人の階段、上ってもらわなきゃ、ねっと!」
よし、今日はお開きー。
そういってノートを鞄の中に入れたあやねは
ちづにも帰る支度をするよう促す。
(ま、どこでも手ぇ出しちゃうのは、可愛いからよね。)
あの風早のことだ。
自分のものだ!とここぞとばかりに主張してしまうのだろう。
多分自覚はないのだろうけれど。
でも、あれはそうに違いない。そうあやねは思っていた。
(まぁ、まだまだ高校生活は長いんだし、色々なきゃ、つまんないわよ!)
風早には申し訳ないけど、
いっっぱい、葛藤してもらわなきゃ、ね。
そう思いながらちづと教室をあとにした―――。