incident!!!

□incident!!!#02
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全員は、

階段の方をじっと見つめる。





ごくり。



いやな緊張感だ。



トットットットットッ――――………………………。





(…もう、すぐだ。)







全員がそう思った次の瞬間。



「何やってんだ、お前ら。」


「「「!!!!!????」」」


背後から声をかけられて
全員が後ろを振り返る。

するとそこにいたのは、風早たちの担任であるピンこと荒井一市の姿が。


風早たちは一気に緊張がとけ、安堵する。

「ピン?!な、なんだ…ピンいるんじゃん…!!」

「あぁ!?なんだとはなんだ、しょーた!!」

他の皆は風早がピンに話してるところを見て、ピンがいることに安心した。

その風早とピンの会話の間を入るように、あやねはピンに話しかける。

「ちょっとピン、今日って学校は普通にあるわよね??」

するとあやねの方を見て

「あぁ、あるはず、だな。だけど…」

ピンは少し表情を曇らせながら意味ありげな言葉を口にする。
それを見たあやねは

「まさか……先生たちも全員いない、とか??」

と思ったことを尋ねた。
するとピンは驚いて、

「今『先生たちも』、っつったな??…てとこは…つまり、今、お前ら以外誰もいなかったってことか。」

そう言いながらピンは全員を見渡した。


ピンを見たちづは、少しおびえながら

「…な、なぁ、やっぱ…マジで今日は変なことが起こってんの…か??」

と皆を見渡しながら聞いてきた。

それを見た龍は「…大丈夫だろ、多分。」とちづに言う。

すると龍は、何か気付いたように風早を見てきた。

風早はどーした、と問うと、

「…いない奴に…ケータイで電話すればいいんじゃねぇの??」

と風早に向って言ってきたのだ。

「あ、たしかに、そうだよな!!」

風早は納得したように鞄の中に入っている携帯を探す。
それを見ていたちづとあやねも、なるほど、と言いながら携帯を出そうとしていた。



しかし爽子は、皆が携帯を出そうとしてるとき、
一人、あることに気付き始め、考え込む。

(あ、あれ…??変だって思うの私だけなのかな…??)

そう考えていると
風早たちが「あー!!」と声を上げてきて、爽子は我に返った。

「ど、どうしたの??」

爽子は皆に問いただす。

すると風早が、何故か皆の携帯圏外になっていることを爽子に伝えた。

だが、ここが圏外になる場所でないことぐらい爽子も知っている。

「じゃあ、一体、どうして…??」

と皆に疑問符を打つ。
それに真っ先に答えたのはあやねだった。

「…わかんない。てか、ここが圏外なったことなんか一度もなかったし。何より全員の携帯が圏外ってこともおかしすぎる。…ほんとに一体何がどーなっちゃってるのよ…」


あやねが参ったような顔をした。それを見たちづは、わー!!とパニくってしまう。


そんなちづを横目に、風早は爽子の方を見た。

すると何か考えてるように見え、風早はどうしたのと爽子に優しく聞いてみる。

すると爽子はゆっくり口を開いた。


「あ、あのね…い、今気付いたんだけど…」

そういって爽子は全員を見渡し、ゆっくり本題へと入る。



「…さっきの…階段から足音……聞こえなくなっちゃったよね??」
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