Sweet Dream

□可愛い悪魔
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「……ぅ…ん。」
サリタは窓から差し込む光で目を覚ました。
寝返りをうとうとするが、身動きが取れないことに気づいた。
目の前に広がるのは濃紺。
後ろを振り返れば肌色。
「起きたか。」
紺色のバージルが言った。
「Good morning…サリタ。」
背後からは上半身裸のダンテ。
二人の男に挟まれていた。
「……っ。」
サリタは自分が昨夜のまま裸であることに気づいて羞恥で縮こまる。
昨日、意識を失う前に聞いた二人の正体。
悪魔なら知らぬ者はいない、伝説の魔剣士スパーダの息子だったのだ。
軽く舐めただけの血で傷が回復してしまうのも頷ける。
そんな内心の緊張感とは裏腹に、腹は減っていて…。
ぐぅうぅぅ…。
起きて早々腹が鳴った。
「腹が減っているなら、俺の血を分けてやるから吸えばいい。」
バージルが腕を差し出す。
「バージルッ…。」
「遠慮はいらん。」
「でも…痛いよ?」
「いくら咬んだところで傷はすぐに癒える。体力も人間の比ではない。」
それはわかってるけど…。
「俺のも吸っていいんだぜ?ただし、こっちからな。」
ダンテがいきなりサリタの顔を自分に向かせてキスをした。
絡ませる舌から甘い血の味。
自分で舌を噛んだらしい。
「ん…っ、ん…!」
「ダンテ。」
それを嫉妬の眼差しで睨むバージル。
上質で濃厚な血液に、サリタは思わず吸いついた。
調子に乗ったダンテがサリタの舌を舐めたり吸ったりして愛撫すると、余計な快感にサリタは腰を震わせて逃げてしまった。
「やだ…っ。」
ダンテは舌打ちする。
「サリタ、来い。」
今度はバージルがサリタを抱き寄せて口づけた。
それから上着を脱ぎさり、サリタの頭を自分の首へ寄せる。
「咬め。」
「いい…の?」
おずおずと聞くサリタ。
「昨日はよく我慢したな。」
頭を撫でられ、心地良さにうっとりしてしまう。
最早忍耐力は無かった。
「バージルッ…。」
サリタはバージルの首筋へ牙を突き立てた。
「……っ。」
バージルは目を閉じる。
一気に喉を鳴らすわけではなく、サリタは少しずつ吸っているらしい。
「痛いのか?」
ダンテが興味深そうに尋ねた。
バージルはうっすらと目を開ける。
「…いや、思っていたより痛みはない。むしろ…心地良いな…。」
「へぇ…。」
裸で男に抱きついて血を啜るなんて。


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