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□揺らぐもの
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「ほんと謎だわ〜。憂夜さんて、ほんとにいくつなの?」

閉店後、ホスト達が帰ったあと俺が店長と下のカウンターで飲んでいたとき

片手でグラスを傾けつつ頬杖をついた店長がしみじみと言った。

さっきから俺の顔ばかりじっと見ていたから、何か考えているのだろうと思っていたのだが…

「どうしたんですか突然」

店長はグラスをカウンターの上に置き、
「突然じゃないわよ!ゆりあの事件のときらずっと気になってます」

キッパリ言い切って、身を乗り出した。

「ゆりあの事件のとき、自殺サイトであたしが書き込みして、吉男に阪神タイガースが優勝した年の生まれですねって言われたでしょ。
あのとき、あたしと塩谷さんがそれぞれ自分が生まれた年にあった出来事を言って、最後に憂夜さんに話しを振ったら見事にかわされたんだよね」


店長の目が据わっている。

完全に酔っ払っているようだ。

「7年前は確実に18歳以上でしょ。でも18歳でホストになったとしても、すぐにNo.1にはさすがになれなかったと思うし」

店長がひとりぶつぶつと推理をしていく。

「あーでも憂夜さんならあっさりなっちゃいそうだね、No.1。なんたって憂夜さんだし」

口は挟まないが、これには少し笑ってしまう。
店長はかまわず推理を続けた。
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