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□休息
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club indigoの開店時間まで、あと半日というお昼すぎ。

憂夜は、事務所のドアの前に立っていた。

軽くノックをし、いつものように声をかける。

「憂夜です。おはようございます、店長。開けてもよろしいですか」

憂夜はしばらく待った。
しかし、一向に返事はない。
再びノックをし、先ほどより大きめに声をだす。
「店長? 憂夜ですが」

しかしやはり返事はない。

留守かとも思ったが、憂夜が来る時間に事務所にいないときは連絡がきているから、出かけたとは思えなかった。
眉をひそめ、何かあったのではと、憂夜は少し焦った。

「店長、失礼します」

ドアをあけると、そこにはやはり晶の姿はなかったが、変わりに荒い息遣いが聞こえてきた。

憂夜は、晶の私室スペースの境になっているカーテンまでそっと近づく。

「…店長」

小さく声をかけてみるが、晶の目が覚めた気配がない。
どうやら具合が悪いらしいということはわかるが、様子を見ないことにはどうしようもない。


「店長、開けますよ」

憂夜はカーテンを開けた。
そこには赤い顔で苦しそうに寝ている晶の姿があった。

「具合が悪いなら、すぐに呼んでくださればいいのに…」

小さなため息をつき、憂夜は晶の汗に濡れた額に手を伸ばした。

少しためらったあと、額にその大きな手のひらを乗せる。

「熱いな…」

思ったよりも熱が高そうで、憂夜は顔をしかめた。

すると、

「…憂夜さん…?」
晶がうっすらと目を開けた。

「店長、起こしてすみません。ですが何か召し上がって薬を飲まないと。」

そう言ったものの、晶はまだぼんやりしている。

「手……」
「手?」
「憂夜さんの手、冷たくて気持ちいい…」


そしてまた、うとうとと眠りに落ちていく。

憂夜は苦笑しながらも、しばらく晶の額に手を乗せていたが、看病するために必要なものを揃えるために、晶が寝入ったところで事務所をあとにした。







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