GOD EATER長編

□第九話
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「本日の任務を、「当該地域のアラガミ一掃」に変更する」

「……了解しました」

代表してサクヤが返答した。最初はコンゴウ一体だったが、それに他のアラガミが追加されただけだ。対した問題ではない。

「なお、検査中だったアリサは快方に向かいつつあるが……入院の為暫く前線を離れることになるだろう」

その言葉を聞き、セツナは俯いた。まだ彼女の容態が落ち着いている時しか会わせてもらえない。快方に向かいつつある……ツバキは言ったが、復帰までにはまだ時間がかかるだろう。



そんなことを考えていると、ツバキが信じられないことを言った。

「最後に……本日をもって神機――及びその適合者であるリンドウは消息不明、除隊として扱われることになった……以上だ」

「……え?」

「そんな……まだ腕輪も神機も見つかってないんですよ!?」

セツナは目を丸くして言葉を失い、サクヤは青い顔で叫ぶ。当たり前だ、通常神機使いが作戦中に行方不明になった場合、少なくとも神機、もしくは腕輪が見つかるまでは捜索するのが通例なのだから。

……だが、ツバキは全く表情を変えずに淡々と告げた。

「上層部の決定だ。それに腕輪のビーコン、生体信号ともに消失したことが確認された。未確認アラガミの活動が活性化している状況で、生きているかも分からない人間を探す余裕は無い」

そう言い放つと、ツバキはその場から去っていく。

「…………」

その後に、ソーマも無言のまま去っていった。



「ねぇ!!こんなに早く捜索が打ち切られるなんておかしいわ!!」

「サクヤさん……」

サクヤが青い顔のまま、取り乱したように叫んだ。いつもは冷静な彼女が珍しい。

……無理もない、彼女とリンドウは神機使いになる前からの幼馴染らしいし、それに彼女は……。

「襲われた敵も場所も明らかなのに……何で!!……いや、ごめん……君に当たっても仕方ないね……。少し頭を冷やしてくる……任務には間に合うようにするから」

最後の方は涙声で言い、サクヤもこの場を去っていった。



彼女がエレベーターに乗ったのを確認すると、コウタが苦しそうな表情で口を開く。

「サクヤさん、だいふまいってるみたいだね。……俺、セツナもみんなも、よくやったと思ってるよ」

「うん、あんたもね……」

あの場にコウタがいなかったら、セツナ達は無事に戻ってくることは出来なかっただろう。

現場でのコウタの冷静さが、仲間を救ったのだ。



「でもアリサのやつ、急にどうしちゃったってんだよ。……同じ新型なんだしさ、セツナが傍にいてやった方がいいんじゃないかな。……俺、サクヤさんの様子見に行ってくるよ!」

「うん、頼んだ」

「おう!」



コウタを見送ると、セツナは小さく溜め息をついた。






























「おい、聞いたか。第一部隊のリンドウさんのこと……」

「あぁ……また、ソーマのチームから殉職者が……」

「お、おい、バカ……!聞こえるぞ……!」



「……クソッ」

小さく悪態をつくと、ソーマは持っていた空き缶を握りつぶした。




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