APH

□噂の彼
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 最近中華にはまっている
新しい植民地に中国が加わったからだ
時にはフランを連れて(イヴァンは勝手に来たんだ)連日通っていた
フランは単純に中華料理を楽しんでいた

「ホント、うまいなこれ!」

俺の次に美味いかもしれないとか言ってた

俺も、もちろん美味いと思う
だが、俺には中国にくるもうひとつの理由があった

「おい王、その、菊はどうしたんだ?」

「あーアヘンはそればかりアル。たまには我の作った料理を単純に楽しんで欲しいアルヨ」

そう、俺の本命と言える目的は”菊”なのだ
菊は王の家によく出入りしており、俺にはない漆黒のような見事な髪と同色の瞳
しなやかな動きと物静かそうな表情
その姿を一度見かけたときから心を奪われたのだ
どうやらフランはまだ見たことがないらしい

「私ですか?」

一瞬誰だか分からなかった
声の主はいつも少し遠くにいたはずの菊だったのだ

「っ、菊!!」

ヤバイ顔真っ赤だ
頭ん中は真っ白なのに
何か、何か話さないと

「ぉ「あぁ君が菊ちゃんか。思っていた通りかわいいね!」

な、なに!!??

「そ、そんなこと…」

おい、待てよ…なんで顔赤らめてんだ?

「あの、アーサーさんですか?」

「おう。ていうかなんで知って」

「我が教えておいてやったアルヨ。偉いアルか??」

そういうことか
菊は既に俺を……

「はじめまして。本田菊と申します。噂は色々と聞いております。」

「噂…?」

「はい。その、アルコールが入ると服を脱ぎだして誰ふりかまわず襲うとか…」

誰だよ!んなこと言ったやつ

「事実アル!」

テメェか!このパンダ野郎!後で覚えてろよ

「菊ちゃん今度俺の家に遊びに来てね。フランス料理ご馳走してあげるから」

「はい。楽しみです。」

しまった、先越された!

「おい、菊。俺の家にも今度「善処します。」

なんでだよ…
アイツは良くて俺はダメとかありえねー

ニヨニヨ笑ってんじゃねぇよこの髭面が

あームカつく小籠包うめぇ

その後中国に通いつめたアーサーは7kgも太りました


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