APH

□甘い恋人
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『甘い恋人』


世界で最も有名なバカップルがいた。

彼らは会うたびにハグをしてしょっちゅう遊んでいた。

しかし、ひそかにそのバカップルを越えるツンデレバカップルが居た。

彼らが付き合っていることすら知る者は少なかった。

「フラン、起きるじかんだぞ」

「ん〜チューしてくれたら起きる」

「仕方ないなあ」

チュッ

「ん、アーサーおはよう」

キスをしてやるとフランシスは身体を起こしアーサーにハグした。

「今日も可愛い。愛してるよ」

「わかってるよ、ばか」

こんなかんじで毎朝メープルシロップにガムシロップをガッツり入れたような甘ったるい会話でアーサーとフランシスの一日が始まるのだ。

二人のこのイチャイチャは家の中でだけ。

それもこれもアーサーのツンデレが発動するためだ。

付き合っていること事態が恥ずかしいアーサーは外ではツンツンしまくりだ。

「おい髭、てめぇよくもやったな!?やるか?」

「ふふふ、お兄さん受けてたつよ?」

まったく家でのLOVE×2が嘘のようだ。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

ある日アーサーがフランシスの家に向かおうとしたときだった。

「お願い、フランシス」

フランシス?道の角から女性とフランシスの会話が聞こえてきた。

「フランシスの…ばかぁー!!!」

「ア、アーサー!!??ちょっ」

そこには女性に抱き着かれて驚いているフランシスがいた。

アーサーは確実に勘違いしている。これは向こうが一方的にやってきたことだ。そう言ってやると

「じゃあキスしろよ」

えっ!?まさかあのアーサーが人前でこんなことを言うなんて!食べていいってことかな?

チュッ

それを見た女性は顔を真っ青にして逃げる様に去って行った。

「よかったのか?アーサー」

そう言って彼を見ると彼は今までにないくらい真っ赤な顔をして涙目になっていた。

そんなに恥ずかしいなら言わなきゃいいのに…

「…ょかっ…た」

え、えぇ!!??

アーサーが泣きながらフランシスに抱き着いた。

「俺…お前に捨てられたら、俺もう…」

ドキッ

涙目で俺を見上げてくるアーサーは殺人的に可愛かった。

こりゃあもう今夜食べるしかないな♪


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


あのことがあって以来二人は
「ほらアーサーお兄さんのお膝元においで〜」

「ちょっフラン、くすぐってぇな止めろよ」

「あ、あのーイギリスさんフランスさん、今は会議ちゅ…」

「よしよし可愛いねぇアーサーは」

「ヴェー…」

「お前の方が可愛いよ」

「……」

会議中にもかかわらずこのバカップル二人は膝椅子をしたり頭をなでたりと人目きにさずとなっていた。

アーサーはあの事件以来嫌に踏ん切りが着いたらしく、今ではこの通り世界一有名なバカップルとなった。

これには元世界一バカップルもお手上げだった。

「ルートー俺達負けちゃったね」

「いや別に競ってなどいないのだから」

「でも、俺ルートのこと大好きだからもっともっとラブラブになりたいんだ♪」

「フェリ…俺もだ!!」

「みなさん、あのー今は会議中なのですが…」

「うふふ、みんな仲良しでいいね。ね?菊くん」

「えっ」

「こらイヴァン菊は我のある!気安く触るなよろし?」

コルコルコルコル

「善処します。」

世界は今日も平和です。


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